柚月裕子「検事の死命」感想。正統派ミステリーでスカッとしたい人は必読!

評価:★★★★★

秋霜烈日の白バッジを与えられている俺たちが、権力に屈したらどうなる。世の中は、いったいなにを信じればいい。
(本文引用)
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 ビジネス界のヒーローが半沢直樹なら、法曹界のヒーローは間違いなく佐方貞人であろう。
 
 正義はたまには勝つ! いえ、常に勝たなければならない。
 正義と真実は、不当な権力に屈してはならない。
 そしてそれは、どんなに小さな出来事でも貫かねばならない。

 そんな信念を頑固なまでに持ちつづけ、実行・実現してしまうのが、銀行員・半沢直樹と検事・佐方貞人。

 本書「検事の死命」は、そんな佐方の信念が「これでもか」と伝わって来る快作だ。

 悪の策士に果敢に立ち向かう佐方は、いったいどんな「策」を仕掛けてくるのか。


 
 種明かしを見れば、心の底からハ―スッキリ!

 「検事の死命」は、正統派ミステリーでスカッとしたい人と、弱者の立場でスカッとしたい人には本気でおすすめの一冊だ。  
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■「検事の死命」あらすじ



 ある日、佐方のもとに痴漢事件の案件が舞い込む。
 
 事件が起きたのは、電車の中。
 車内は大規模イベントの影響で大混雑。
 そんななかで起きた事件だった。

 痴漢容疑をかけられたのは、地元の名家の男性。
 妻をはじめ親類縁者は名士の誇りが高く、男性の容疑を権力でもみ消そうとする。

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 一方、被害者は素行不良の女子高生。
 万引きや恐喝でつかまった過去もある。

 世間一般から見て、どちらが信用できる人間かは明らかだった。

 しかし佐方は違った。

 佐方は容疑者を「クロ」と見て、捜査を徹底的に詰めていく。
 そんな佐方には、大きな圧力が。

 容疑者の家が雇った弁護士は、絶対勝利の策をたて、事実を歪めていく。

 そこで佐方がとった戦略とは?
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■「検事の死命」感想



 本書には痴漢事件のほか、2編を収録。
 郵便物紛失事件と、佐方の父親に関する裏話も収められている。

 最もページが割かれているのは痴漢事件だが、郵便物紛失事件も傑作!

 佐方の住む地域周辺で、郵便物が届かない事態が頻発。
 どうやら、ある郵便局員が、現金の入った封書を盗んでいるらしい。
 
 容疑者を絞った佐方は、「ある作戦」で犯人を見事に追い詰めていく。

 本書は全体的に、「策」がテーマ。
 郵便物紛失事件は、言い逃れをしようとする容疑者を、ある作戦で窮地に追い込む。
 「刑事コロンボ」のような、佐方の鮮やかな作戦勝ちは、心から快哉を叫びたくなる。

 そして、件の痴漢事件。
 今度は悪者側も、入念に策を練っていく。
 もはや「佐方貞人もこれまでか!?」と天を仰ぎたくなるが・・・神様というのはいるものだ。

 容疑者側は、「策士策に溺れる」という「まさか」のラスト。
 「完璧」と思って用意した作戦が、純粋な真実にそっくりひっくり返される場面は、五臓六腑がピョンッと跳ね上がるほど愉快痛快だ。

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 正義の策は成功し、悪の策は失敗に終わる。

 スカッと爽やかすぎて「現実の世の中も、この物語のようだったらどんなにいいだろう・・・」と思わずにはいられない。

 正義は勝つ!と信じたい人。
 権力によって真実が歪められるのが許せない人。
 とにかく世の中納得いかない!とモヤモヤしてる人。

 本書を読めば、命の洗濯になること間違いなし!である。 

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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