垣谷美雨「子育てはもう卒業します」は育児ストレスをグンと減らす特効薬!

評価:★★★★★

 「子供のことはいくつになっても心配だけど、もう遠くから見守るしかないよね」
 「アデュー子育て、ボンジュール老後」

(本文引用)
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 「あー、面白い本読みたい!」と思ったら、まず手に取るのが垣谷美雨さん。
 
 「あるある!」と首がもげるほどうなずけて、ブハッと笑えて、読後は気分爽快!

 「難しい本を読んで教養を深めたい」と、しかめっ面をしている時には垣谷作品は向かないだろう。

 しかし「とにかく活字を素直に楽しみたい」とムズムズソワソワしてるなら、垣谷作品はおすすめ。
 本書は、特に「子育てや夫、実家や義実家にモヤモヤ」という女性に、ぜひ読んでほしい一冊だ。

 読みようによっては育児ストレスが倍増するかもしれないが・・・、将来の展望が開けてくるのは確かである。


 

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■「子育てはもう卒業します」あらすじ



 淳子、明美、紫は1950年代末生まれ。
 3人とも、首都圏の4年制大学を卒業している。
 
 当時、4年制大学に進む女性は少数派。
 しかも3人とも地方出身で、実家から離れて進学している。
 
 そんな彼女たちは、就職で辛酸をなめることに。
 

 「私たち、なんのために東京に出てきたんだろう」
 「なんのために大学に入ったんだろう」


 「すでに内定もらっている女子だって、これといった特技なんてないよ。単に自宅が東京にあっただけ。それか、もしくは短大生。または生まれつき男だっただけ」


 3人は己の境遇を呪いつづける。

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 その後、3人はそれぞれ家庭をもち、子育てに没頭することに。

 子供には自分のような人生を歩ませたくない・・・!

 3人が子供に求めたことは?
 そして実際、子供たちはどう育っていったのか?
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■「子育てはもう卒業します」感想



 子育てとは何とままならぬものか。
 そして、そんなままならない子育てとは、何と面白いものか。

 本書を読んでいると、「思い通りにならないからこそ子育ては楽しい」と心から思える。

 とにかく「よかれ」と思ったことが裏目裏目に出る3人。
 そして時には「最悪!」とため息をついていたことが、思わぬ幸運をもたらすことも。

 「人間万事塞翁が馬」を地で行く展開に、続きが気になって気になって読む手が止まらなかった。

 たとえば紫の夫レイモン。
 フランス人の彼は、フランス流の独特な考えを持っており、時おり紫を心底うんざりさせる。

 娘・杏里の成長や働き方についても、とにかくのんびり。
 旧家に育った紫にとっては、「ん、もう!」と言いたくなることばかりだ。

 ところがこのレイモン、言うことがいちいち「わりと正論」だから面白い。
 レイモンの言動を読んでいると、読んでいる私まで「何で私、子どものことでこんなにカリカリしてるんだ?」と苦笑いが出てくる。

 子育て・孫育てにキュウキュウとする登場人物のなかで、一服の清涼剤となっているレイモン。
 彼の日本人離れした(当たり前だが)思考と、紫一家の予想外の展開には大注目だ。

 本書を読んでいると、育児ストレスが9割方なくなっていくのを感じる。
 いわば「育児の断捨離(!?)」。
 
 自分の育児をよくよく見つめてみたら、「あれもいらない、これも余計」と捨てられるものばかり。
 固定観念や世間体、見栄などをゴミ袋に全て詰めて捨て、子どもそのものをまっさらな気持ちで見つめたら、イライラが消えてダイヤモンドが見えてくる・・・本書はそんな気持ちにさせてくれる魔法の書だ。

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 垣谷さんの「プチギャグ」満載の筆致も、ストレス解消にピッタリ。
 (※ラジオ英語講座マーシャ・クラッカワーのくだりには思わずコーヒーを吹いた。本書を電車の中で読むのはやめましょう。)
 
 「何で私、子育てでこんなにイライラしてるんだ?」と、自分で自分がわからなくなってる方に本書はおすすめ。

 子育てを卒業する年齢でなくても、淳子・紫・明美の奮闘から学ぶところは大きいはず。
 「思うようにならないからこそ人生も子育ても面白い!」と、嘘のように心が軽くなるだろう。
 
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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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