朱川湊人「なごり歌」感想。志村けんさんの訃報を聞き、涙しながら再読。

 「ゆっくり、ゆっくり・・・・・・全部ゆっくりでいいんですよ」
(本文引用)
______________________________

 志村けんさんが亡くなった。

 新型コロナウイルス肺炎は、「悪化するスピードが非常に速い」と聞いていた。
 しかし、まさかこれほどとは・・・。

 志村さんの訃報を聞き、猛烈な喪失感に襲われるとともに、改めて「新型コロナウイルス」の恐ろしさに戦慄した。

 そこで再読したのが、朱川湊人著「なごり歌」。
 「かたみ歌」とセットで語られる、亡き者を偲ぶ短編集だ。

 世の中に、故人を思う小説は数多ある。
 しかし「かたみ歌」と「なごり歌」ほど、「喪失の重み」を感じる小説は、そうそうない。

  
 気がつけばいつも、私たちを笑わせてくれた志村けんさん。
 幼稚園、小学校・・・そして大人になり子どもを持っても、笑いで支えつづけてくれた志村けんさん。

 そんな志村けんさんを喪い、茫然としている今、最もしっくりくる本が、この「なごり歌」。
 他の小説では、この喪失感を埋めることは、到底できないだろう。

続きを読む

プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

最新記事
シンプルアーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
QRコード
QR

書評・レビュー ブログランキングへ
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
カテゴリ
広告
記事更新情報
リンク
広告