「風間教場」。「教場」ファンだからこそ買うのを迷った一冊。果たして読んだ結果は?

 「その鰯の調理法と同じ手だよ。片方ずつ焼いたのさ」
(本文引用)
______________________________

 「風間教場」は「教場」シリーズ最新刊。

 「教場」好きなら飛びつきたい一冊だが、なかには迷ってる人もいるのでは?

 なぜなら「風間教場」は、シリーズ初の長編。

 「教場」は「短編の名手・長岡弘樹」の真骨頂。

 短編集ならではの「謎解き大行進」に、身悶えするファンも多いはずだ。


 しかし「風間教場」は一冊まるごと「章立てなし」の長編。
 「ええっ? じゃあ、謎解きは1個しかないの?」と落胆するファンもいるだろう。

 実は私も「長編」と聞き、本書の購入を迷った。
 「謎が1つしかないのなら、長岡弘樹のマジックを堪能しきれないな~」と、買うのをずいぶん躊躇した。

 しかし欲望に抗えず、「風間教場」を「えいっ」と購入。

 結果・・・「買って良かった!」の一言。
 何と「風間教場」、長編なのに短編よりも「謎解き」が多いという予想外の構成。
 
 1つの物語にちりばめられた「謎解き」は、さながらオリエンテーリングのチェックポイント。
 
 謎を解きながら、物語りを読んでいると、自分がRPGの世界に入り込んだ錯覚に襲われる。

 「風間教場」は「教場」ファンだからこそ、買うのをためらう一冊。
 しかし「教場」ファンだからこそ、「買って良かった!」と心底思える一冊だ。

続きを読む

プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

最新記事
シンプルアーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
QRコード
QR

書評・レビュー ブログランキングへ
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
カテゴリ
広告
記事更新情報
リンク
広告