芦沢央の「雨利終活写真館」はミステリ―でストレス解消したい人におすすめ!

評価:★★★★★

「――やっぱり」
「だから何がやっぱりなんやて」
夢子は一拍置き、道頓堀だけではなく全員に向かって言った。
「私たちは勘違いしていたのよ」

(本文引用)
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 ひっさしぶりに「見事な謎解き」というものにうなりました。あ~、スッキリした!

 実は最近、どんなミステリー小説を読んでも不完全燃焼を感じていたんですよね。
 ミステリ―というから読み始めたのに、謎解きはどこにいっちゃったの? これってミステリーなの? みたいな小説が多いような気がして・・・。

 でも「雨利終活写真館」を読んだら、そのストレスはスパーンと星の彼方に消えました。

 「雨利終活写真館」に登場する謎解きは、本当に純粋な謎解きです。濃厚な謎解きです。



 誰でも起こしそうな勘違いから始まり、そこからずいずいと事情に迫っていくのですが、途中で座礁。
 何しろスタート地点から間違っているのですから、ゴールにたどり着けるはずがありません。
 そこで仕切りなおして、1つひとつもつれた糸をほどくように謎を解いていくと、あら不思議! スルスルーッと真相が明らかになります。

 ミステリ―を読む快感というのは、まさしくその「スルスルーッ」ですよね。

 よって「雨利終活写真館」は、ミステリーでストレスを発散したい方に超オススメ。

 短編集なのでスルスルーッが4回も味わえる、とてもお得な一冊です。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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