辻村深月の最新刊「かがみの孤城」は、読書メーターや新聞書評でも高評価。いじめに悩んでいる人はぜひ読んでみて!
評価:★★★★★
「自分は、みんなと同じになれない――、いつ、どうしてそうなったのかわかんないけど、失敗した子みたいに思えてたから」
(本文引用)
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そして最新刊「かがみの孤城」も、期待をはるかに上回る傑作。
読書メーターでも非常に評価が高く、日経新聞書評欄でも満点の5つ星でした。
そこまで評価が高い「かがみの孤城」とはいったいどんな物語なのか。
それは、いじめに人生を殺されつつある少女の話でした。
今現在、いじめで悩んでいる人や、そのご家族の方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。
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主人公の安西こころは、中学生になってからほとんど学校に行っていません。
その理由は「いじめ」です。
いじめの主犯は、クラスのリーダー格の女子・真田美織。
美織はある男子に思いを寄せますが、その男子が昔、こころを好きだったことが判明。
美織はそれに憤慨し、取り巻きと一緒にこころを徹底的にいじめます。
こころは、このままでは美織に殺されてしまうと思い、学校を休み、家にこもるようになります。
そんなある日、こころの部屋にあるかがみが光り出します。
こころが鏡に手を伸ばすと、そこにはもうひとつの世界が。
こころはかがみに入り込み、同年代の子どもたちと出会います。
実はそこにいる子どもたちも、こころと同じく学校に通えない子どもたちでした。
こころはかがみの世界から出たり入ったりして過ごしますが、そのうち、驚きの事実が判明して・・・?
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「かがみの孤城」の面白さは、「こっちの世界=現実」と「あちらの世界=かがみの向こう=幻想」とが見事に溶け合っている点です。
実は私はファンタジー小説が非常に苦手で、ちょっとでも「ファンタジー」のニオイを感じると、読み続けることができなくなってしまいます。
でも、この「かがみの孤城」は全く抵抗なく読み切ることができました。
それは現実世界との融合が非常に自然で、しかも「幻想の世界」が、こころの悩みを解決するために必須であるととらえることができたからです。
現実世界では、こころの悲しみ、恐怖、絶望をわかってくれる人は、なかなか現れません。
特に担任教師の対応はひどく、(呆)という言葉が頭上に浮かびまくるようなもの。
読んでいるだけで、「誰か、他のまともな先生呼んできて!」と叫びたくなりました。
そこでこころを救うのが、かがみの向こうの世界。
それは、「こころが現実逃避をしているから」ではないですよ。
これ以上書くとネタバレになってしまいますが、こころが向こうに行っているから救われているのではなく、幻想の世界の住人がこっちに来ているから救われているんです。
この物語は確かにファンタジックです。
でも「いじめ」の真の問題点、そして有効な解決策を、これ以上ないほど現実的に描いています。
幻想と現実がタッグを組んで、現実で苦しんでいる人を救い出す。
これこそ、小説・物語が世の中に存在する意義です。
辻村深月さんは、この「かがみの孤城」で、そんな「小説の到達点」に達したのではないでしょうか。
フィクション、ファンタジーを通して、辻村深月さんは、今現在死ぬほど苦しんでいる若者たちを助けようとしたのではないか・・・本作からは、辻村さんのそんな使命感をヒシヒシと感じました。
もし今、いじめに遭っていたり、周囲と溶け込めずに悩んでいたり、大人に相談しても虚しさを感じていたりしたら、ぜひ本書を読んでみてください。
本当にかがみの向こうに行くことはできなくても、よくよく周りを見渡せば、かがみの向こうから来たサポーターがいるかもしれません。
そんな人にもし出会えなくても大丈夫。
この「かがみの孤城」そのものが、いじめに苦しむあなたの一番のサポーターになってくれますよ。
「自分は、みんなと同じになれない――、いつ、どうしてそうなったのかわかんないけど、失敗した子みたいに思えてたから」
(本文引用)
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辻村深月さんの小説は、どんどん面白くなっていまね。面白さももちろん、ストーリーの厚みや凄みというものが加速度的に増しているように感じます。
なので最近、辻村深月さんの新刊は必ず買うようにしています。
「この作家は決して裏切らない!」
と確信が持てるようになったので(上から目線ですみません)。
私の中で辻村深月さんは、池井戸潤さん等と同じく「殿堂入り」です!
なので最近、辻村深月さんの新刊は必ず買うようにしています。
「この作家は決して裏切らない!」
と確信が持てるようになったので(上から目線ですみません)。
私の中で辻村深月さんは、池井戸潤さん等と同じく「殿堂入り」です!
そして最新刊「かがみの孤城」も、期待をはるかに上回る傑作。
読書メーターでも非常に評価が高く、日経新聞書評欄でも満点の5つ星でした。
そこまで評価が高い「かがみの孤城」とはいったいどんな物語なのか。
それは、いじめに人生を殺されつつある少女の話でした。
今現在、いじめで悩んでいる人や、そのご家族の方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。
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主人公の安西こころは、中学生になってからほとんど学校に行っていません。
その理由は「いじめ」です。
いじめの主犯は、クラスのリーダー格の女子・真田美織。
美織はある男子に思いを寄せますが、その男子が昔、こころを好きだったことが判明。
美織はそれに憤慨し、取り巻きと一緒にこころを徹底的にいじめます。
こころは、このままでは美織に殺されてしまうと思い、学校を休み、家にこもるようになります。
そんなある日、こころの部屋にあるかがみが光り出します。
こころが鏡に手を伸ばすと、そこにはもうひとつの世界が。
こころはかがみに入り込み、同年代の子どもたちと出会います。
実はそこにいる子どもたちも、こころと同じく学校に通えない子どもたちでした。
こころはかがみの世界から出たり入ったりして過ごしますが、そのうち、驚きの事実が判明して・・・?
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「かがみの孤城」の面白さは、「こっちの世界=現実」と「あちらの世界=かがみの向こう=幻想」とが見事に溶け合っている点です。
実は私はファンタジー小説が非常に苦手で、ちょっとでも「ファンタジー」のニオイを感じると、読み続けることができなくなってしまいます。
でも、この「かがみの孤城」は全く抵抗なく読み切ることができました。
それは現実世界との融合が非常に自然で、しかも「幻想の世界」が、こころの悩みを解決するために必須であるととらえることができたからです。
現実世界では、こころの悲しみ、恐怖、絶望をわかってくれる人は、なかなか現れません。
特に担任教師の対応はひどく、(呆)という言葉が頭上に浮かびまくるようなもの。
読んでいるだけで、「誰か、他のまともな先生呼んできて!」と叫びたくなりました。
そこでこころを救うのが、かがみの向こうの世界。
それは、「こころが現実逃避をしているから」ではないですよ。
これ以上書くとネタバレになってしまいますが、こころが向こうに行っているから救われているのではなく、幻想の世界の住人がこっちに来ているから救われているんです。
この物語は確かにファンタジックです。
でも「いじめ」の真の問題点、そして有効な解決策を、これ以上ないほど現実的に描いています。
幻想と現実がタッグを組んで、現実で苦しんでいる人を救い出す。
これこそ、小説・物語が世の中に存在する意義です。
辻村深月さんは、この「かがみの孤城」で、そんな「小説の到達点」に達したのではないでしょうか。
フィクション、ファンタジーを通して、辻村深月さんは、今現在死ぬほど苦しんでいる若者たちを助けようとしたのではないか・・・本作からは、辻村さんのそんな使命感をヒシヒシと感じました。
もし今、いじめに遭っていたり、周囲と溶け込めずに悩んでいたり、大人に相談しても虚しさを感じていたりしたら、ぜひ本書を読んでみてください。
本当にかがみの向こうに行くことはできなくても、よくよく周りを見渡せば、かがみの向こうから来たサポーターがいるかもしれません。
そんな人にもし出会えなくても大丈夫。
この「かがみの孤城」そのものが、いじめに苦しむあなたの一番のサポーターになってくれますよ。