朝が来る  辻村深月

評価:★★★★★

永遠に明けないと思っていた夜が、今、明けた。
この子はうちに、朝を運んできた。

(本文引用)
__________________________________

 「辻村深月の小説って、こんなに良かったっけ!?」
 失礼ながら、そんなことを思ってしまった。

 もちろん、今まで読んだ作品も面白かった。しかしこの小説は、もう今までの「若手作家・辻村深月」の作品ではない。辻村深月はきっと、三浦綾子のような歴史に名を遺す大作家になるだろう。いや、すでになっている!
_________________________

 佐都子には、6歳の息子・朝斗がいる。佐都子と朝斗に血のつながりはない。佐都子夫婦は妊娠が難しかったため、朝斗を養子に迎え、懸命にかわいがって育てている。



 しかしある日、その幸せな時間を打ち砕くように、佐都子の自宅にこんな電話が入る。 

「子どもを、返してほしいんです」

 電話の相手は、朝斗を産んだ女性・片倉ひかりだった。

 後日、佐都子はひかりを自宅に招き入れるが、佐都子には、彼女がどうしても朝斗の実母とは思えなかった。

 その1か月後、警察が佐都子宅を訪ねる。「片倉ひかり」という女性を、窃盗と横領の疑いで捜しているという――。

続きを読む

プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

最新記事
シンプルアーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
QRコード
QR

書評・レビュー ブログランキングへ
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
カテゴリ
広告
記事更新情報
リンク
広告