僕たちは世界を変えることができない。 葉田甲太
人を救うということは、自らが力を持つということなのだろうか。人を救うということは、自らを磨くということなのだろうか。だとすれば、今僕がやるべきことは、今すぐ戻って大学で勉強することなのだろうか。(本文引用)
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2015年をどのような年にしたいか。頭を空っぽにして、そんなことを考えたくなったら、この本がいい。
日本の医大生がカンボジアで小学校を建てるため、資金集めに奔走するノンフィクション「僕たちは世界を変えることができない」。
2011年に、向井理さん主演で映画化された本書は、あきれるほど純粋で、羨ましいほどまっすぐな、心揺さぶられる人生賛歌だ。
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日本医科大学に通う葉田甲太は、訪れた郵便局で、一冊のパンフレットを手にする。
それは「150万円の寄付で、カンボジアに学校が建つ」というものだった。
甲太は、その言葉が頭を離れず、さっそく150万円集めるべく行動を始める。
まず医大に通う友達にメールを送り、クラブでのチャリティーイベントを企画。しかし、そもそもクラブ自体に行ったことがない甲太たち。
何が何でもやり通すという決意とは裏腹に、前途多難の滑り出しとなるのであった。
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この後、甲太たちはカンボジアに赴き、極限まで“生のカンボジア”に触れ衝撃を受けるわけだが、そこから本書の面白さが始まる。
甲太はそれらを、「悲惨」「かわいそう」という言葉で表さない。憐憫の目で見ていない。むしろ哀れみの目を自分自身に向けているのだ。
日本の医大生がカンボジアで小学校を建てるため、資金集めに奔走するノンフィクション「僕たちは世界を変えることができない」。
2011年に、向井理さん主演で映画化された本書は、あきれるほど純粋で、羨ましいほどまっすぐな、心揺さぶられる人生賛歌だ。
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日本医科大学に通う葉田甲太は、訪れた郵便局で、一冊のパンフレットを手にする。
それは「150万円の寄付で、カンボジアに学校が建つ」というものだった。
甲太は、その言葉が頭を離れず、さっそく150万円集めるべく行動を始める。
まず医大に通う友達にメールを送り、クラブでのチャリティーイベントを企画。しかし、そもそもクラブ自体に行ったことがない甲太たち。
何が何でもやり通すという決意とは裏腹に、前途多難の滑り出しとなるのであった。
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この後、甲太たちはカンボジアに赴き、極限まで“生のカンボジア”に触れ衝撃を受けるわけだが、そこから本書の面白さが始まる。
甲太はそれらを、「悲惨」「かわいそう」という言葉で表さない。憐憫の目で見ていない。むしろ哀れみの目を自分自身に向けているのだ。