ヒトラー演説 ~熱狂の真実~  高田博行

 「君の部隊に弁舌を振るう生まれつきのテノールがいるのを知ってるかい。いったん元気になると、話すのがとまらないようだ」。これがヒトラーであった。
(本文引用)
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 今年5月、日本経済新聞にこんな記事があった。
 
 「『数字でヒトラー礼賛』と指摘 P&Gの洗剤、独で販売停止に」

 米家庭用品大手P&G社がドイツで販売した衣料用洗剤が、ヒトラーを礼賛する隠語を表示しているとして販売停止になったのだ。
 問題となったのは、洗剤容器に印字されている「88」「18」の数字。
 これは「洗濯83回分の容量の商品と同じ値段で、88回洗える量が入っている」ことを意味しており、「18」については同趣旨に加えW杯ドイツ代表のユニホームの背番号を表すものだった。


 しかしドイツの消費者は、この数字を問題視した。
 「8」は、アルファベットで8番目の「H」にあたる。つまり「88」=「HH」=「ハイル・ヒトラー(ヒトラー万歳)」になると受け取ったのだ。
 そして「18」は「AH」=「アドルフ・ヒトラー」になる。よって、同洗剤の表記は「公の場でのナチス礼賛」=刑法の民衆扇動罪に当たるとし、販売停止になったのである。

 ・・・そう、かつて歴史上類を見ないほど民衆を煽動した政治家がいた。
 人々を煽り、大きく道を踏みはずさせた男がいた。
 その男アドルフ・ヒトラーは、どのようにして人々を異常行動に走らせたのか。どのようにして、民衆の心はコントロールされてしまったのか。
 本書は、ヒトラーのイメージは一度捨て置き、あくまで「言葉」や「ジェスチャー」の視点から「煽動政治家」というものを徹底分析したものである。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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