誘拐の知らせ ガルシア・マルケス

 「民主主義は大統領候補が四人殺されたり、誘拐事件があったりしたぐらいのことでは揺るがなかった」(本文引用)
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 先日、ノーベル賞作家ガルシア・マルケスが亡くなった。ガルシア・マルケスといえば、小説「百年の孤独」や「エレンディラ」などが有名だが、迫力あるノンフィクションも遺している。

 そのなかでもこれは、圧倒される一冊。マルケスの生まれ育ったコロンビアの暗部・・・いやもはや暗部ともいえない“コロンビアという国がもつ、誰もが知る問題点”を、あるひとつの事象からズブリとえぐりだした本である。
 その事象とは、「誘拐」。
 ジャーナリスト10名が、麻薬密輸組織に拉致監禁されるという、未曾有の連続誘拐事件である。
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 事の発端は、麻薬組織の政府介入と、その阻止だった。


 1980年代初頭、麻薬王パブロ・エスコバルは新自由党にひそかに加わろうとしたが、党首にリストからはずされる。その恨みは深く、後にその党首らは武装集団に暗殺される。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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