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オールド・テロリスト  村上龍

「しかしですね、具体的に、いったいどうやって日本を本当に焼け野原にするおつもりなんですか」(本文引用)
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 タイトルといい表紙といい設定といい、本気とも冗談ともつかないコミカルさを感じさせる。しかしそれ以上に、真面目さがある。
 テロを起こす人物と、それを起こさせる世の中。その両者の間に立った時、人はどんな思いを抱くのか。世の中に問題があれば、テロは容認されるのか。
 本書は、ややグロテスクでキワモノ的な顔を見せつつ、そのあたりを真摯に伝えている。よって、読後感は意外なほど爽快だ。
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 フリーの記者であるセキグチは、ある日、ルポを書くよう依頼される。
 内容は、これから行われる“テロ”について。実はNHKに、高齢男性の声でテロ予告があったというのだ。


 セキグチは半信半疑で現場に赴くが、特に変わった様子はない。やはり予告は嘘だったのかと立ち去ろうとしたその瞬間、現場は異臭と熱風に包まれる。
 気がつけば、黒焦げの死体がいくつも転がっていた。

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55歳からのハローライフ 村上龍

 生きようという姿を示すだけで、他の誰かに何かを与えることができるのではないか。
(「ペットロス」より引用)
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 いや~、泣いた。泣いてしまった。6/14土曜日からNHKでドラマが放送されると聞き、読んだのだが、こんなに泣ける話とは思わなかった。

 ドラマといえば、毎週「ルーズヴェルトゲーム」(原作レビューはこちら)を観てはハンカチがグシャグシャになるほど泣いているのだが、ドラマ「55歳からのハローライフ」もそれに負けないぐらい泣いてしまいそうだ。

 そして泣きつくした後には、必ずこう思うだろう。

 どんなに年をとっても、どんな苦難に遭っても、最後の一瞬まで生き抜こう、と。


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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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