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なぜ苦しむのはいつも女なの?そう思ったら必読!「本屋さんのダイアナ」柚木麻子

評価:★★★★★

女の人のあいだでは、相手が自分と同じ境遇にいるときは仲よくできても、相手が自分より高く飛躍すると、友情がこわれるというばあいがないではありません。
(本文引用)
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 最近、望まない妊娠をした女子中高生が、学校から排除されるケースが多いそうです。

 確かに、本人に問題があったパターンも多いかもしれません。
 でも、なぜいつも追い込まれるのは女性ばかりなのか、と胸が痛みます。
 彼女たちは深く傷つき、尋常でなく悩み、身も心も行き場のない状態です。

 妊娠は女性だけの問題ではないのに、なぜ女性ばかりが苦しまねばならないのか。

 小さな命と大きな責任を抱えたまま、今もひとりで苦しんでいる女の子がいると思うと、「苦しかったね、辛かったね」と抱きしめたくなります。



 そんな思いがふくらんだのは、この小説を読んだから。
 柚木麻子さんの代表作「本屋さんのダイアナ」。

 女の子の成長を描いた小説ですが、同時に女性ならではの苦悩を描いた小説でもあります。
 それを守ってあげられる男性の姿も、おおいに見もの。

 「なぜいつも苦しむのは、女ばかりなのか」
 「どうすれば、苦しんでいる女性を守り、助けることができるのか」

 そう一瞬でも思ったら、ぜひページを開いてほしい一冊です。
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 主人公の矢島大穴は小3の女の子。
 名前は「大穴」と書いて「ダイアナ」と読みます。

 通称「ティアラ」という母親に髪を金髪に染められ、いわゆるDQNのような目で見られます。

 でもダイアナは本が大好きな、とても聡明な女の子。
 そんなダイアナの魅力に、同じクラスの彩子は気づきます。

 彩子は、ダイアナとは正反対の家庭で育つお嬢様。
 彩子の母親は上品で教育熱心な、ご近所主婦の憧れの存在。

 当然、彩子の母親は、彩子がダイアナと親しくするのを嫌がります。
 
 しかしダイアナの思慮深さに触れるうち、彩子の両親は次第に、彩子とダイアナの友情を温かく見守るようになります。

 でも友情は、長くは続きません。

 彩子は名門女子中学に進学。
 徐々に、ダイアナと綾子の住む世界は違っていきます。

 そして抱える悩み、苦しみも、小学生の頃とは比べ物にならないほど大きくなります。

 彩子とダイアナが、一人の女性として選ぶ道は?
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 この物語のキーワードは、女の子としての「呪縛」です。

 女の子はこうでなくてはならない、辛い局面に遭っても取り乱してはいけない、男性から浴びせられる罵詈雑言に耐えなければならない、男性の言うことに頷かなければいけない・・・。

 そんな呪いが、ダイアナと綾子・・・特に彩子を縛りつづけます。

 その呪縛が解けないかぎり、女性はますます窮地に追い込まれることに。

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 特に「性」にまつわる問題で、その呪縛は爆発。

 大学で人としての尊厳を踏みにじられた彩子が、呪縛に苦しめられ変貌していく様は、直視できないほど辛いものです。

 終盤に向けて、彩子の人生に徐々に光が射していきますが、「呪縛」で奪われたものはあまりにも大きいもの。
 
 今現在、心も体もズタズタにされながらも「女の子はこうであらねば」と自分をごまかし、苦しんでいる人がどれほど多くいることかと涙がこぼれました。

 女性としての呪縛から、苦しみを閉じ込めてしまっている人、悩みを吐き出せずにいる人は、ぜひ本書を読んでみてください。
 
 小さな、だけど大きな一歩を踏み出せるかもしれませんよ。
  
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あの連続不審死事件がモデル!柚木麻子「BUTTER」。毒婦に女もからめとられる!?

評価:★★★★★

  「ひょっとしたら梶井の罪って、誰のことも命のある人間に思えなかったってところにあるんじゃないでしょうか?」
(本文引用)
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 先日、あの木嶋佳苗被告の死刑が確定しました。
 木嶋佳苗被告は(今さら説明するまでもありませんが)、結婚仲介サイトで知り合った男性3人を殺したとされています。
 
 この事件が大きな注目を集めたのは、その事件の重大さもさることながら、木嶋佳苗被告の「キャラ」にあります。

 いったい、木嶋佳苗被告とはどのような女性なのでしょうか。

 それは実際に彼女を知る人にしかわからないことですし、無理矢理知ろうとするのも失礼な話でしょう。

 でもこの小説を読むと、これだけはわかる気がします。



 木嶋佳苗被告のような女性は、どのようにして男性をからめとっていくのか。
 そして木嶋佳苗被告のような女性は、どのようにして「女性をも」からめとっていくのか。


 柚木麻子の「BUTTER」を読めば、あなたも毒婦にからめとられるかもしれませんよ。
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 主人公の町田里佳は、週刊誌の記者。優秀な記者として、社内で一目おかれている存在です。

 そんな里佳が今、追っているのが首都圏連続不審死事件。
 1人の女性が、婚活サイトで知り合った男性たちから次々と金銭を奪い、殺害したとされる事件です。

 その事件の被告の名は、梶井真奈子。通称カジマナ。

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 カジマナに尋常ではない興味をもった里佳は、様々な策をめぐらせ、ようやくカジマナと面会。

 しかし記者として梶井真奈子と会ううちに、里佳のなかに面妖な変化が起きてきて・・・?
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 ネタバレスレスレで、この小説を一言でいうと「ミイラ取りがミイラになる」といったところです。

 もしかするとあの事件も、そうなりかけた人や、そうなってしまった人がいるかもしれません。

 世の中、傍から見ると「何で騙されたの!?」と首を傾げたくなる事件って多いですよね。

 でも、なかにはいるんですね、「騙されたと気づかないように騙すことができる」人間が。
 サイコパスと言われようと何と言われようと、そのような特異な才能をもった人間が。

 「BUTTER」を読むと、その経緯がよーくわかります。
 ああ、人はこうしてまんまと「騙されていると気づかずに底なし沼にはまっていくんだな」と。

 ちなみにタイトルの「BUTTER」というのは、食材のバターそのもの。

 マーガリンではなくバター、しかも高級なバターを惜しみなく使うことで、おいし~い料理を味わう場面が、本書にはいくつも登場。
 料理で男性をせいいっぱいもてなしてきたカジマナ。
 そんな料理通・食通のカジマナを表すものとして、バターは影の主役として暗躍します。

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 そして「BUTTER」は同時に、梶井真奈子のことをも表しています。

 カジマナに関わった人は、「ちびくろサンボ」の虎のように互いを追い掛け回してバターにさせられ、
 カジマナに関わった人は皆、ねばつくような、でもどこか心とろかす彼女のもとから離れられなくなります。


 バターの香りが高い料理は、一度食べてしまうと、なかなかバターなしには戻れませんよね。
 それどころか「もっともっと」とバターをナイフでさっくり切り取り、フライパンに乗せ、ケーキの材料に混ぜ、パンに乗せ、パスタにからめ・・・とエスカレートしていきます。

 カジマナには、そんな「もっとあなたを知りたい」と思わせる何かがあります。
 「もっとバターを! もっともっとバターを!」の法則は、カジマナ本人に当てはまるのです。

 なかでも強烈なのは、塩バターラーメンのエピソード。
 梶井真奈子は、拘置所に面会に来た里佳にこんな依頼をします。

 とあるラーメン屋さんの塩バターラーメンを食べて、どんな味だったか報告してほしい、と。

 さらにカジマナは、仰天するような条件をつけます。

「はっきりいって、普通に食べたんじゃ、たいして美味しくもないのよ。ここのラーメンを飛躍的に美味しく食べるには、ある状況が必要なの」

 その「ある状況」を語るとネタバレになってしまうので、ここでは書きませんが、この「条件」はある意味かなり「厳しい」もの(人によっては簡単かもしれませんが・・・)。

 しかし驚くことに、里佳はその条件をそのままなぞるように決行するのです。

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 ここに至るまでの里佳の心理状態は、毒婦事件が起こるまでの5合目までをそろそろ歩いているような状況です。

 でも、この塩バターラーメンのくだりで、里佳は一気に8合目、9合目へ。

 頂上に向かうも地獄、転落するも地獄、ならばどうやって安全に下りる?

 そこからの里佳の判断や、親友らの行動からは一瞬たりとも目が離せません。
 私なんて本の中に手を突っ込んで、里佳を引っ張り出したいと思ったほど!

 梶井真奈子・・・実に恐ろしく手ごわい人物です。

 木嶋佳苗被告の首都圏連続不審死事件をはじめ、次々と人が騙され殺される事件は、いつの時代にも起こります。

 もしも被害者に対し「何で騙されちゃったの?」「自分なら大丈夫」と思っているのなら、ぜひ柚木麻子著「BUTTER」を読んでみてください。

 隠し味のバターに魅入られるように、騙されたことに気づかず騙され、とりこまれ、からめとられていく。

 この小説を読むと、そんな心理状態が、バターがパンに染み込むようにわかりますよ。

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佐藤優が「新・リーダー論」で言及!柚木麻子の「伊藤くんAtoE」は現代のリーダー論か?

評価:★★★★★

 「結局・・・・・・、伊藤先輩から目を逸らせない時点で、俺たちの負けなんですよね」
(本文引用)
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  この小説を読んだきっかけは、あの佐藤優氏の言葉。 

最近の若手官僚は、まさにこの「伊藤くん」のイメージです。

 池上彰氏との対談「新・リーダー論」で、佐藤氏は最近のエリート層の特徴として「伊藤くん」を挙げている。
 では、その「伊藤くん」とはどんな人物なのか。

 本書は、その「伊藤くん」について5人の女性が語っていく物語である。



●あらすじ


 島原智美は美人で頭も性格も良い、非の打ち所がない女性だ。
 しかし、彼女は20万円の高級売れ残り鞄を見ながら、こうつぶやく。 

「このコ、私みたいだよね」

 そんな智美には、彼氏らしき男性がいた。彼の名は伊藤くん。
 伊藤くんは智美に対し、常に上から目線で身勝手な要求ばかり突き付け、智美を翻弄する。
 傍から見ると、どうしようもないクズ男の伊藤くんなのに、智美はどうしても伊藤くんから離れられない。

 そしてついに、伊藤くんに20万円を貢ごうとするのだが・・・?



●「伊藤くんAtoE」のここが面白い!


 この本では、ひたすら「伊藤くん」の愚かさが描かれる。
 その傲慢ぶりとダメさ加減は、読んでいて頭のフタが空きそうなほどイライラするが、物語が進むごとに、確実に印象が変わってくるのが面白い。
 そして、伊藤くんに人生を破壊されているようで、実は伊藤くんに人生を立て直してもらっていると思わせる展開も、非常に痛快だ。

 この物語を読むと、組織や仲間に一人ぐらい「イタい人」「おかしい人」がいても良いと感じる。いや、むしろいた方が良いのではないか。
 女性たちが、ダメ男・伊藤くんを通じて結束を固め、再生を果たしていくのを見るにつけ、伊藤くんという存在の貴重さや必要性が浮かび上がってくる。
 そんな「伊藤くん」に対する印象の変化が、本書の面白さだ。

 さらに、ラストに向けた「伊藤くん」の大化けにも注目。
 餌を食べる瞬間のクリオネのような変身を見せる「伊藤くん」に、読者は思わず惚れてしまうだろう。
 (佐藤優氏の理論を当てはめると、トランプ氏が大統領選に勝ったのも当然なのかもしれない・・・。)



●まとめ


 この「伊藤くんAtoE」だが、何やら壮大な仕掛けのニオイがプンプンとする。
 
 登場する女性たちが連なる連作短編というだけでも、本書は十分面白い。しかし、最後の最後になって、物語全体を揺り動かす意外な事実に気づくことになる。

 伊藤くんがこれほどのダメ男になってしまった理由は何か、本当の伊藤くんはどんな人物なのか。
 そして、「伊藤くんAtoE」を書いた人物は、本当に柚木麻子氏なのか。

  伊藤くんにいちばん翻弄されるのは、どうやら読者だったようである。

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嘆きの美女  柚木麻子

「思い切って、苦手な領域に飛び込むことで見えてくるものもあんのかなって、最近思うようになった。少なくとも恨みやわだかまりからは解放される気がするんだよね」
(本文引用)
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 大学時代、私の自宅に、一人の男性から電話がかかってきたことがある。その男性とは、私の高校時代の友人の彼氏である。
 
 彼曰く、
 「●●さん(彼女)が、友だちがいないと落ち込んでいる。××さん(私)だけは友だちだと思っているみたいだから、電話でもしてあげてくれないか・・・」

 正直に言って、この電話には心底ビックリした。彼女がそんな悩みを抱えていたことなど、夢にも思っていなかったからである。
 彼の言うまま、私はその後すぐに彼女に電話をかけ、何気ない世間話をし、コンサートに行く約束などを取り付けた。



 その後、幸い事態は良い方向に向かったようだが、私は彼女がいったい何を悩む必要があるのか、と今までずーっと考えつづけていた。
 なぜなら、彼女はめちゃくちゃ美人だったからである(※韓流女優のイ・ヨンエ(チャングムの人)と相田翔子(元ウィンク)を合わせて、さらに美しくしたような感じ)。

 しかし、この小説を読み、その謎が解けた。

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ナイルパーチの女子会 柚木麻子

 だから、誰も彼女の傍に居たがらない。
(本文引用)
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 面白い・・・おっそろしく面白い。頭の中が24時間、この本でいっぱいになった。
 読んでいる最中はストーリーに没入し、読んでいない時は、物語を思い出しては身震いし、時に自分を主人公に投影させ、吐きたくなった。1つの物語にこれほどどっぷり浸かったのは、何年ぶりだろう。
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 志村栄利子は、容姿端麗・頭脳明晰で一流商社に勤めている。家では、エリートの父親と家事を完璧にこなす母親が守ってくれる。
 そんな、全てをもっているように見える栄利子だが、彼女には欲しくて欲しくてたまらないものがあった。
 それは「女友達」。


 栄利子は、あるブログを読むのにハマっており、そのブログ主に近づく機会をうかがう。
 文章と写真からブログ主の居場所を割り出し、ついに栄利子はブログ主・翔子と出会う。

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ランチのアッコちゃん 柚木麻子

 身がすくんで立ち止まっているうちに、出来ることはたくさんある。
(本文引用)
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 先日、プレジデント2013.8.12号を読んでいたら、こんなページが目に留まった。
 「あなたの稼ぎを上げる7つの学び方」
 その7つのポイントとして挙げられているのは、「自学自習をしているか」「日々の行動目標を立てているか」「自己アピールをしているか」「なりたい自分のイメージを演出しているか」「仕事の報酬は仕事を意識しているか」...etc.というものだった。

 これを読み、私はある小説を思い出した。まさにこれらを実践している人間たちが生き生きと飛び回る、とびきり面白い小説を。

 その小説の名は、「ランチのアッコちゃん」
 この、クウネルの「私たちのお弁当」(この本はお弁当本として秀逸)を思わせる愛らしい表紙を、書店で見かけた方も多いであろう。
 それもそのはず、最近、書店で何カ月も平積みになっており全国で話題沸騰中。はっきり言って、今さら紹介するまでもない作品である。

 さて内容はというと、ムムムムム・・・・・・・・・これは話題になるだけある!
 読みやすさは、その可愛い見た目と重なるが、中身はどうしてどうして、見た目からは想像もできないほどタフで深みのある、心技体そろった見事な人間&ビジネスドラマだ。
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 本書は、4話からなるオムニバス構成。
 それぞれの物語の主人公は、「今、立ち止まっている」-いや「かつて立ち止まっていた」と言ったほうがよいだろうか-ともかく、今現在の自分の状態に落ち込み苛立つ者たちだ。

 恋人に振られ、友達もなく、消えてしまいたい気持ちを抱えながら日々職場に通う、女性派遣社員。
 お嬢様学校に通っていたというブランド力だけを武器に、合コン通いに明け暮れる30代女性。
 一流商社をバックとしたベンチャー事業を任されたはいいが、日々ノルマ達成のために夜明け近くまで残業をし、社員共々心身を病みかけている男性社長。
 そしてあまりの無能ぶりに、その社長から忌み嫌われ退職する天然女性正社員。

 ・・・改めてこう書くと、ありがちな設定のように思えるが、彼女・彼らが人生の突破口を見出すプロセスは、もう全神経がシビれまくるほど面白い。






 まず表題作の「ランチのアッコちゃん」は、前述の女性派遣社員・三智子が、辣腕女性部長アッコに声をかけられ、一週間ランチを交換するというもの。
 三智子の地味な手作り弁当をアッコ女史が食べ続け、三智子は毎昼、当日朝に指示された場所へランチを食べに行く。店もメニューも食べ方も全くバラバラ。まるでスパイごっこか何かのようにしてランチをとりつづけた結果、三智子が得たものとは・・・?

 そして第二話「夜食のアッコちゃん」では三智子とアッコの背景が変わり、第一話からは想像もできない生きる道筋を見つけ、たくましく歩いていく。

 第三話「夜の大捜査先生」はやや目線を変えて、かつては自分を無敵と思い込んでいた元コギャル・野百合が、さんざん手を焼かせた熱血教師と再会し、自分をゼロから見つめなおすストーリー。

 そして、夫も私も「一番面白い!」と意見が一致した最終話「ゆとりのビアガーデン」
 体力とガッツを見込んで採用した女性社員・玲美は、恐ろしいほどミスが多い所謂「使えない」社員。
 社長の雅之はそんな玲美にさじを投げ、一切無視して仕事に取り組み、その結果いづらくなった玲美は退職する。
 しかしその1年後、玲美は驚くべき形で雅之の前に姿を現す。
 そしていつしか玲美は、傾きかけた雅之の会社の救いの女神となる。

 この玲美の姿が、もう言葉にならないほどかっこいい。
 冒頭で述べた「稼ぎを上げる学び方」・・・「自学自習をしているか」「自己アピールをしているか」「なりたい自分のイメージを演出しているか」「仕事の報酬は仕事を意識しているか」...etc.は文字だけ見ると何だか堅苦しく面倒なように思えるが、それらを全て体現したのが、まさしくこの玲美。
 すぐさま「あ、こうすればいいのかぁ」と真似できるものでもないが、玲美の言葉や行動の端々には様々な「生きるヒント」が隠されている。いや天晴れだ。

 もしも今、自分が停滞している、気分が乗らない、生きている意味がわからない・・・などと目の前に靄がかかっている状態ならば、ぜひ読んでほしい。
 読みながら、目に映る景色が霧が晴れたように明るくなり、思わず地面を思い切り蹴って、歩き出してしまうはずだ。

※僭越ながら、ドラマ化熱望。4夜連続・各2時間で。
●キャスト(妄想)(敬称略)
アッコ女史:天海祐希、三智子:大島優子
カレー屋:斎藤工、社長:北村総一朗
野百合:北川景子、ゾノせん:山下真司
玲美:南明奈、雅之:田辺誠一、ビル管理人:笹野高史

失礼しました~。



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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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