小柳ルミ子の「パスコースがない?じゃあ、つくればいい。」という言葉は、サッカーのこと(だけ)を言ってるわけではない。
評価:★★★★★
この「パスコースがない」というのは、「仕事をする時間がないです」というのと同じですね。「忙しくて、時間的に無理です」と言い訳をする方もいますけど、だったら「つくればいいでしょ」って思っちゃう。
(本文引用)
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正直に言って、本書も最初は冷やかしのつもりで手に取った。
「芸能人のサッカー解説ねぇ・・・」といった、意地悪な気持ちがなかったわけではない。
ところがこれが、良いことが書いてあるのだ。
サッカーにさして興味がなくても、サッカーに詳しくなくても、得るところ大。
「いち社会人」として生きていくうえで大切なことが、サッカーを通して余すところなく書かれている。
さすが、芸能界のトップに半世紀君臨してきただけある。
小柳さんの「サッカー論」は、そのまま「仕事論」として使えるもの。
さらに言うならば、小柳さんの「サッカーに対する愛情」は、「己の人生に対する愛情」。
自分の人生を「愛すべきもの」にしたいのなら、本書が説く生き方をなぞるべきであろう。
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本書は、小柳ルミ子さんの「サッカーノート」をもとに構成されている。
選手1人ひとりを緻密に分析し、長所・短所を解説。
たとえばFCバルセロナのセルヒオ・ブスケツ選手については、こう分析する。
特にルミ子さんが重視するのが、選手の人柄だ。
本書を読むかぎり、ルミ子さんは「リーダーシップをとれる花形選手であること」以上に、「フォロワーシップができる縁の下の力持ち」であることを、選手に求めている。
「自分のため」ではなく、「チーム全体のため」に的確に動ける選手をとにかく賞賛。
全体最適のために動くことの重要性を、サッカーを通して熱く語るのである。
よってルミ子さんは、ピッチ外での言動も見逃さない。
メッシの「努力すれば報われる? そうじゃないだろう。 報われるまで努力するんだ」
フェルナンド・トーレス選手の「暑かろうが湿気があろうが、雨でも雪でも言い訳にはならない」等々、選手の名言を続々と公開。
一流の人物が、どのような心持ちで仕事(プレー)をしているかを説いていく。
ルミ子さんは「サッカーは人生の縮図である」と語るが、本書を読むと「なるほど」とうなずかずにはいられない。
仲間にとって良いパスができるか。
敵の足が届かない場所にパスができるか。
チームの雰囲気を壊すような言動をとらないか。
時に主役に、時に黒子にもなれるか。
サッカーの一流選手のプレーは、確かに「充実した人生を送るために必要な行動」なのである。
本書を読めば、サッカーの見方がぐっと深まることだろう。
「目立たないけど、なぜかいつも出ている選手」に注目すれば、「自分だけのサッカーの楽しみ方」を見つけられるかもしれない。
さらに言うと、「自分流の生き方」すら見つけられるかもしれないのだ。
ちなみに本書の帯コピーは、「正論か? 暴論か?」というもの。
私が読んだ感想としては、「正論」。
まっとうに生きるために、本書ほど「正論みっちり」の本はそうそうない。
きちんと生きて、きちんと仕事をして、きちんと評価されたい・・・と望む方は必読の一冊である。
この「パスコースがない」というのは、「仕事をする時間がないです」というのと同じですね。「忙しくて、時間的に無理です」と言い訳をする方もいますけど、だったら「つくればいいでしょ」って思っちゃう。
(本文引用)
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いよいよ「2018FIFAワールドカップ ロシア」が開幕する。
それに向けて読んだのが、本書。
小柳ルミ子著「パスコースがない? じゃあ、つくればいい。」である。
小柳ルミ子さんといえば、物心ついた頃にはすでに大スター。
子どもの頃、友だちと「瀬戸ワンタン、日暮れテンドン、夕な~み小~な~ミソラーメン・・・」などと歌っていたものだ。(若い人は知らないかな?)
常に色んな形(「青春の食卓」とか)で話題を振りまいてくれるルミ子さんだが、まさかここへきて「サッカー解説者」として現れようとは夢にも思わなかった。
それに向けて読んだのが、本書。
小柳ルミ子著「パスコースがない? じゃあ、つくればいい。」である。
小柳ルミ子さんといえば、物心ついた頃にはすでに大スター。
子どもの頃、友だちと「瀬戸ワンタン、日暮れテンドン、夕な~み小~な~ミソラーメン・・・」などと歌っていたものだ。(若い人は知らないかな?)
常に色んな形(「青春の食卓」とか)で話題を振りまいてくれるルミ子さんだが、まさかここへきて「サッカー解説者」として現れようとは夢にも思わなかった。
正直に言って、本書も最初は冷やかしのつもりで手に取った。
「芸能人のサッカー解説ねぇ・・・」といった、意地悪な気持ちがなかったわけではない。
ところがこれが、良いことが書いてあるのだ。
サッカーにさして興味がなくても、サッカーに詳しくなくても、得るところ大。
「いち社会人」として生きていくうえで大切なことが、サッカーを通して余すところなく書かれている。
さすが、芸能界のトップに半世紀君臨してきただけある。
小柳さんの「サッカー論」は、そのまま「仕事論」として使えるもの。
さらに言うならば、小柳さんの「サッカーに対する愛情」は、「己の人生に対する愛情」。
自分の人生を「愛すべきもの」にしたいのなら、本書が説く生き方をなぞるべきであろう。
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本書は、小柳ルミ子さんの「サッカーノート」をもとに構成されている。
選手1人ひとりを緻密に分析し、長所・短所を解説。
たとえばFCバルセロナのセルヒオ・ブスケツ選手については、こう分析する。
足は遅いし、体もそんなに強くはない。何でバルセロナに必要なのか分からないって言う人がいるくらいなんですけど、これがあるんです。状況に応じた判断と決断が迅速で、しかも的確。走るのが遅いのを、頭の回転の速さとすぐれた技術でカバーしているんです。
特にルミ子さんが重視するのが、選手の人柄だ。
「ふて腐れた顔や怒った顔も見たことがない」
「主役もやれるのに黒子になる。そこがすごい!」
本書を読むかぎり、ルミ子さんは「リーダーシップをとれる花形選手であること」以上に、「フォロワーシップができる縁の下の力持ち」であることを、選手に求めている。
「自分のため」ではなく、「チーム全体のため」に的確に動ける選手をとにかく賞賛。
全体最適のために動くことの重要性を、サッカーを通して熱く語るのである。
よってルミ子さんは、ピッチ外での言動も見逃さない。
メッシの「努力すれば報われる? そうじゃないだろう。 報われるまで努力するんだ」
フェルナンド・トーレス選手の「暑かろうが湿気があろうが、雨でも雪でも言い訳にはならない」等々、選手の名言を続々と公開。
一流の人物が、どのような心持ちで仕事(プレー)をしているかを説いていく。
ルミ子さんは「サッカーは人生の縮図である」と語るが、本書を読むと「なるほど」とうなずかずにはいられない。
仲間にとって良いパスができるか。
敵の足が届かない場所にパスができるか。
チームの雰囲気を壊すような言動をとらないか。
時に主役に、時に黒子にもなれるか。
サッカーの一流選手のプレーは、確かに「充実した人生を送るために必要な行動」なのである。
本書を読めば、サッカーの見方がぐっと深まることだろう。
「目立たないけど、なぜかいつも出ている選手」に注目すれば、「自分だけのサッカーの楽しみ方」を見つけられるかもしれない。
さらに言うと、「自分流の生き方」すら見つけられるかもしれないのだ。
ちなみに本書の帯コピーは、「正論か? 暴論か?」というもの。
私が読んだ感想としては、「正論」。
まっとうに生きるために、本書ほど「正論みっちり」の本はそうそうない。
きちんと生きて、きちんと仕事をして、きちんと評価されたい・・・と望む方は必読の一冊である。