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「ビジネスマンのための国語力トレーニング」は「受験生のためのトレーニング」!大学入試改革に必ず役立つ一冊。

評価:★★★★★

 論理は理解不可能な他者への最後の求愛である。
(本文引用)
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 本書は「ビジネスマンのため」である以上に、「大学受験生のため」の本。
 大学共通テストで「重視する力」を、これ一冊で十分鍛えることができる。

 では大学共通テストで、本書はどんな効果を発揮するのか。

 たとえば共通テストのモデル問題 「駐車場使用契約書」について。
 
 この問題は契約書を読ませたうえで、「急なトラブルが起きた場合の対応」を問うたもの。
  「文章の理解力」とともに、「論理力」をもみる問題だ。

 論理力とは、与えられた材料を用いて、以後の展開を推し測る力。


 社会人になると、マニュアルや、他者との対応において「理解力・論理力」が必要となってくる。
 理解力・論理力がないと、仕事で行き違いやミスを起こしてしまう。

 与えられた文章をしっかり理解し、そこから今後の展開・対応を考える「論理力」。
 今の大学入試は、その二つが非常に重視されるのだ。

 「ビジネスマンのための国語力トレーニング」は、「読解力」と「論理力」を一度に鍛えられる本。

 ページ数こそ少ないが、豊富な問題数と骨太な内容で、一気に「未来を担える国語力」がつくだろう。

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「バズる文章教室」。なぜカンチューハイは缶チューハイじゃないのか?時代を作る文はココが違った!

評価:★★★★★

 文章を短く、いらないところは削ろう。キャッチ―な言葉を使って、わかりやすく書こう。
 ・・・・・・というのが文章術の常識だと、私自身は信じてきました。

(本文引用)
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 文章術の本、どれを買おうか迷ってる方へ。
 とりあえず「バズる文章教室」一冊買えばOKである(キッパリ)。

 勉強をする際、「事例から入る」という人、多いのではないだろうか。

 私は大学で法学部だったのだが、試験対策は必ず「判例ジュリスト」を読み込むことからスタートした。
 総論や各論などを読むよりも、「実際の事件・事故で、法律がどのように活用されたのか」を知ったほうが、ずっと頭に入るからだ。

 「バズる文章教室」も同様。
 名作文学からコラムやエッセイ、ヒット曲から川柳に至るまで、「バズった」文章をどっさり紹介。。


 時代を作った「バズり文」を、あの名物書店・店長が徹底分析。

 「細かすぎる!」とのけぞるほど緻密・巧みな分析で、「バズった理由」を解明していく。
 
 つまり事例から、稼げる文章術を解説した本。
 
 「どんな文章術を読んでも、いまいち頭に入ってこない・・・」
 「文章術の本を読んでも、実践の仕方がわからない」
 
 そうお悩みなら、「バズる文章教室」で一発解決。
 事例と解説を読み、そのとーーーーーりに書けば、きっと「バズる文章」が書けるはずだ。
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■「バズる文章教室」内容



 本書の著者は三宅香帆氏。
 あの京大卒の、天狼院書店元店長。
 自称「文芸オタク」である。

 本書は、著者が唸ったあらゆる文章を紹介。
 なぜこの作家は人気があるのか、なぜこの本は、この曲は売れたのか。

 谷崎潤一郎、森鴎外、村上春樹、林真理子、向田邦子、開高健、さくらももこ、ナンシー関、秋元康、J・K・ローリング、宮藤官九郎、サラリーマン川柳・・・。

 人々を魅了した文筆家たちは、いったい文章に「どんな媚薬」を含ませてるのか。

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 今ついに、バズる文章・モテる名文の扉が開かれる!
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■「バズる文章教室」感想



 文章術の本はたいてい、今すぐ実践するのが難しい。

 「モノをではなく経験を売る」とか、「購入後の生活が目に浮かぶように」とか、「誰に向けて書いているのかペルソナを決める」とか・・・。
 アドバイス自体は「なるほど納得!」なのだが、いざ実践しようとすると、どうすればよいかわからないものが多い。
 
 ところがこの「バズる文章教室」は違う。
 実際に名文を挙げ、「ここが面白いポイント!」を示し、「ならどうすればよいか」を、頭が下がるほど懇切丁寧に教えてくれる。

 だからとにかくヤル気が出る。
 しかも即効性が高い(私、本書の指示に従って某記事を書いたら、「グレードアップした!」とメチャクチャ褒められました)。

 文章術の本に迷ったら、もうこれ一冊で当面・・・いや、一生もつと断言する。

 たとえば本書のチャプター2「向田邦子の柔和力」。
 向田邦子といえば、後にも先にも「彼女ほどの名エッセイストはいない」と言われる人物。
 死後何年経っても、遺作が色あせない巨星である。

 著者曰く、向田邦子の文章は「仮名8割モデル」とのこと。
 
 文章を書く際、「この言葉、漢字にすべきかひらがなにすべきか・・・」と誰でも迷うもの。

 そんな時に、絶妙な「ひらがな加減」で文を書くのが向田邦子。

 著者は向田氏のエッセイを挙げ、いかにうまくひらがなを使っているかを細かく解説。

 そこから「どのような場合に、ひらがなにしたほうが良いか」をアドバイス(これがまた目からウロコ!)。
 
 ついには、ひらがなを使うメリットにも言及する。

 どちらか迷ったらひらがなを選ぶのがおすすめ。「ひらがなだらけだと幼稚に見えそう」と思う人もいるかもしれませんが、ひらがなはごまかしが効かないので、むしろ書き手の自信を感じられます。


 「ひらがなの方が、書き手の自信があらわれる」・・・これは「文章で賢く見せたい」という下心を、ズキュンとついた新発想。
 
 このような解説からも、「バズる文章の書き方」がありありと見えてくる。
 文章でもコンパでも婚活でも、自分を良く見せようとするかぎり、モテないバズらない。
 自分に自信をもち、その余裕をもって相手を慮ることで、モテるしバズるのだ。

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 本書では他にも、読み手の心をグッとつかむ「ちょっとしたコツ」が満載。
 当記事のタイトルでも書いた「カンチューハイ」と「缶チューハイ」の違いも、その「ちょっとしたコツ」のひとつ。

 ね?
 これなら今すぐ実践できそうでしょ?

 しつこいようだが、今、文章術の本を探してるなら、「バズる文章教室」を買うのがベスト&マスト。
 最新の特効薬1種類だけ飲んでおけばOK、という感覚でぜひ手に取ってみてほしい。

 「あなたの文章、変わったね」「何かを越えたね。どうしたの?」なんて、不思議な顔で見られることだろう。
                                             
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「文章は接続詞で決まる」感想。人間関係も接続詞で決まる!?嫌われる接続詞の使い方とは?

評価:★★★★★

ちなみに、私がよく使う接続詞を妻に訊いてみたところ「つまり」だと言われました。どうも、やたらにもっともらしい解釈を加え、うんちくを傾けたがるタイプのようです。
(本文引用)
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 接続詞の使い方は難しい。
 「そして」が続くと、遠足に行った小学生の作文みたい。
 「しかし」が続くと、結論はどっちつかず。
 「つまり」を使ってみたところ、他者から「ごめん。この文脈から、どうやってこの結論が出るの?」と突っ込まれることに。
 
 まこと接続詞は諸刃の剣。
 文章を読みやすくする潤滑油にもなるが、使い方を間違うと、読み手を混乱させてしまうのだ。

 本書はそんな「接続詞の悩みあるある」を一挙解決。
 「そうそう! 接続詞の使い方、そこに悩んでたのよー!」と、著者とハグしたくなるお助け本だ。


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■「文章は接続詞で決まる」内容



 本書では豊富な事例を交えて、「優れた接続詞使用法」や「言い換え法」を紹介。
 
 順接なら「だから」「それなら」、逆説なら「しかし」「ところが」、並列なら「そして」「それに」、転換なら「さて」「では」等々。
 4種10類に区分し、接続詞の粋な使い方を示していく。

 名作文学、新聞記事、料理レシピ、ヒット曲の歌詞・・・それらに隠れた「優れた接続詞の使い方」とは?

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 そして「嫌われる接続詞の使い方」とは?
 
 読めば一気に、文章力も会話力もアップする!
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■「文章は接続詞で決まる」感想



 本書はひたすら「接続詞」に焦点を当てた本。
 そんなニッチな内容なのに、5万部突破のロングセラー。
 受験生やビジネスマンの間で売れ続けているという。

 なぜ本書がそこまで売れ続けるのか。
 理由は明快。

 読んで役立つから。

 さらにそれに加え、読んでいて楽しいから。
 読んでいてときめくからだ。

 本書の魅力は、とてつもなく豊富な事例。

 文章術の事例と聞くと、いわゆる「名文」を思い浮かべるだろう。
 しかし本書はちょっと違う。

 接続詞を使った「わかりやすい文章」として、いきなり料理レシピ」からスタート。

 さらに面白いことに、絵本「おおきなかぶ」や、ミスチルのヒット曲までとりあげる。

 たとえば「おおきなかぶ」は、「『それでも』のうまい使い方」として紹介。

 「ところが かぶは ぬけません」
 「うんとこしょ どっこいしょ」
 「それでも かぶは ぬけません」
 「うんとこしょ どっこいしょ」
 「まだ まだ かぶは ぬけません」
 「うんとこしょ どっこいしょ」
 「それでも かぶは ぬけません」

 そしてラスト 「やっと、かぶは ぬけました」

 本書では「おおきなかぶ」を用いて、「しかし」「でも」「それでも」の使い方に言及。
 「おおきなかぶ」をはじめ、心に残る本・文章には、接続詞のマジックが隠されていたのだ。

 つづいて著者は、「でも」の効果的な使い方としてミスチルの曲を紹介。
 その「接続詞の妙技」に、私はうっかりミスチルのファンになりそうになった。
 もうこうなると、本にしろ歌にしろ「ヒットのカギは接続詞にあり!」と言えそうだ。

 このように本書は、名作文学だけでなく、思わぬ場所から「接続詞マジック」をたっぷり紹介。
 読めば読むほど「あ~、確かに!」と膝をバチン。
 だから読んでいて、メチャクチャ面白いのだ。

 さらに本書の接続詞研究は、書き言葉だけに収まらない。
 「話し言葉」に潜む「接続詞の危険性」も解説。

 「てか」「でも」「だから」「だって」・・・接続詞の使い方によっては、相手の気分を害することに。

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 「今日バイト先でさ、主任に大量のコピーを頼まれたかと思ったら、課長にすぐにお茶入れろって言われてさ」
 「てか、自分でやれって感じだよね」


 「今日バイト先でさ、主任に大量のコピーを頼まれたかと思ったら、課長にすぐにお茶入れろって言われてさ」
 「てか、この部屋、暑くない?」


 この2つ、同じ「てか」でもどちらかは相手を喜ばせ、どちらかは相手を怒らせる。
 接続詞の使い方は、誤ると人間関係にヒビを入れてしまうのだ。

 本書を機に、いま一度、「自分の接続詞の使い方」を振り返ってみたい。
 今晩にでも、夫に「私がよく使ってる接続詞って何?」と聞いてみよう。
 私の夫、すっごく優しいからな~。
 いつの間にか「接続詞」で傷つけていたらどうしよう・・・。
                                             
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語彙力を鍛える ~量と質を高めるトレーニング~  石黒圭

評価:★★★★★

語彙を知ることは世界を知ることであり、語彙の知識を広げられると、花を見つけられるようになることもあると思うのです。
(本文引用)
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 私は以前からこんなことをぼんやり思っていたのだが、本書を読み、それは間違っていないことを確信した。

 「『言葉』を研究している人の新書は面白い」。

 飯間浩明氏の「辞書を編む」しかり、山口謡司氏の「日本語通」しかり。言葉の研究者たちは、スパイよろしく私たちのコミュニケーションに耳を澄ませ、それをかき集め、その言葉に関する疑問や提案や称賛を我々にフィードバックしてくれる。

 それは、私たちに「言葉」の魅力を伝えると共に、より快適なコミュニケーションを送る術をも教えてくれる。いわば、書き手と読み手とが一体となって、心地よい社会を構築していくことになるのだ。
 だから私は、言葉の研究者たちの本が好きだ。ドキドキが止まらないぐらい大好きだ。



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日本語通  山口謡司

評価:★★★★★

 たとえば「光」を「ぴか」、「熱」を「ひい」と読んでいいのか、という質問を受けることがある。
 もちろん、読んでいい。

(本文引用)
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 私は今まで、いわゆる「キラキラネーム」を忌み嫌っていた。なので、自分の子どもには昔ながらの、誰にでも読めてパソコンで一発変換できるような名前をつけている。

 しかし、この本を読んでいたらキラキラネームが嫌いじゃなくなった。いや、嫌いになるどころか、キラキラネームをつけている人こそ実は「真の日本語通」なのではないかと、好感すら抱き始めた。そして逆に、「この漢字はこの読み方」と決めつけていた自分は、ひどく無教養なのではないかと恥ずかしさを感じた。

 本書によると、日本人は奈良時代からずっと、「漢字を自由に訓読してよい」という原則があるという。たとえば「将欲求す」で「ほっす」など・・・。

 この本では、日本語の読み方・書き方・話し方をあらゆる観点から紐解いていく。今すぐ誰かに話したくなる、日本語のウンチク満載の楽しい一冊だ。



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「歩きスマホ」を英語で言うと? 石山宏一

婚活 mate-hunting

根活 hair root care


(本文引用)

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 ふと振り返れば、この10年で色んな言葉が生まれたものである。
 小学生になる、私の子どもが生まれた頃には、まだ「妊活」「保活」などという言葉もなかった。

 また、スマホもまだ全く普及しておらず、「ながらケータイ」という言葉はあったかもしれないが「歩きスマホ」という言葉はなかった。
 この10年足らずでも、様々な言葉が星のごとく生まれ、そして消えて行ったのである。

 本書は、そんな「今どき言葉」の英語表現を教えてくれる一冊。


 英語だけでなく、その言葉にまつわる社会現象や背景等も詳しく書かれているため、思わず「ふむふむ」と読み入ってしまう良書である。
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言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学 西村義樹/野矢茂樹

野矢 たとえば野矢茂樹でも、大学生は「野矢はとるのよそう」とか、「野矢、落としちゃった」とかね。「野矢つまらないよ」と言うときには、授業に焦点を当てつつ、人物の側面もある程度活性化してるんですかね。
西村 ははは。

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 誰もが一度は、こんなことを思ったことがあるのではないだろうか。

 「『お電話ください』って、電話機をあげるみたいだよね」

 日常に潜む、よく考えると不思議な表現-「洗濯機をまわす」「鍋が煮える」「ハワイは楽しかった」。これらはいったい、どのような心の働きから発せられるのだろう。
 そんな「言葉の謎」を丁々発止のやりとりで解き明かしていくのが、この「言語学の教室」
 哲学の巨匠・野矢茂樹先生が、生徒となって認知言語学の世界に飛び込んだ傑作講義である。


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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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