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外資系企業がほしがる脳ミソ キラン・スリニヴァス

 ポールは1980年には20歳だったが、1985年には15歳だった。こんなことがあり得るだろうか?
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 私のストレス解消法は、骨のあるクイズ本を読むことだ。
 そのなかでも気に入っているのが、この「外資系企業がほしがる脳ミソ」

 本書には、このタイトル通り外資系企業の採用試験で出題された問題が多数紹介されている。
 その業種は投資銀行やIT企業、コンサルティング・ファーム等多岐に渡るが、それら超一流企業が求めているのは、何と言っても"think outside the box" 「既成概念にとらわれず、独創的な発想をする」ということだ。

 本書に出題されている問題を、考えて考えて考え抜くことで、きっとその能力が鍛えられることだろう。


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 出題される問題は、数学的・論理的思考を問うものが多い。「数学を通して論理的思考を見る問題」といった方が良いだろうか。
 ひたすら計算すればよいというわけではない。
 いかに発想を転換させ、最短距離で、エレガントに正解を導き出していくかが問われているのだ。

 たとえば、こちらの問題などが良い例だ。
 

1m四方の立方体1,000個で構成されている、下図のような10m四方の巨大な立方体がある。このとき、巨大な立方体の表面上に見えている、1m四方の立方体の数は、何個になるか?


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※本書をもとに作成。


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東大クイズ研のすごいクイズ500 東京大学クイズ研究会

 千円札の裏側に描かれている富士山のモデルとなった写真「湖畔の春」を撮影した写真家は誰?(最終章・超難問より)
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 「ノーベル賞を受賞し、オリンピックでもメダルをとった人物は誰か」
 この問題は、今やクイズ番組の定番となっているため、答えられる人も少なくないだろう。

 では、この問題はいかがだろうか。
 「ノーベル賞とイグノーベル賞を両方受賞した唯一の人物は誰か」
 (ちなみにイグノーベル賞とは、「人を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられる賞で、「なぜシャワーカーテンは内側に膨らむのか」や「へそのゴマの研究」、「靴の上から靴下を履くと、雪道でも滑りにくい」ことを実証したものなど数々の研究が受賞している。以前、当ブログでご紹介したレン・フィッシャー氏も、「ビスケットを崩壊させずに紅茶に浸す方法」という研究で受賞している)


 「そんなのわかるわけないでしょ!」とお思いかもしれないが、いやいや、いつこんな問題が出されるかもわからない。それを知らなかったばかりに、多額の賞金や海外旅行を逃すかもしれない。

 そんな状況にも対応してくれるのが、こちらの本。
 フジテレビ系「第1回 ブレインワールドカップ 知力世界No.1大学決定戦」優勝チ―ムである東京大学クイズ研究会による、珠玉の知識テスト500題である。

 この本の魅力は、問題の質の高さもさることながら、丁寧な解説にある。
 たとえば「文学・美術」編の問題5。

「日本を代表する文学賞で、芥川賞は芥川龍之介を記念したものですが、直木賞は誰を記念したもの?」

 これは私でもすぐに答えられた。直木三十五だ。しかしここからが本番。解説には直木三十五の本名や、直木三十一から誕生日ごとに三十二、三十三と筆名を変えたといった驚きの豆知識が添えられている。ここまで知っている人は、なかなかいないのではないだろうか。

 また「言葉」編の第28問。

「海老で鯛を釣る」と同じ意味の諺で、「鯉を釣る」ときに使う餌は何?

 この問いについても、正解の他に「有名な諺と同じ意味をもつちょっとマイナーな諺」がいくつか載せられている。

 そういえば中学生の時、先生が問題集の選び方として、「薄い・安い・問題が多い」そして「解説が丁寧」であることを挙げていたが、この本はそれを見事に満たしている。

 また、その守備(攻撃?)範囲の広さも嬉しい。

 地歴や政治経済、科学全般、スポーツ、漫画・アニメ、芸能・音楽、そしてファッションやグルメまで。
 どれも粒ぞろいの難問ばかりだが、これだけ多分野から出題されていると、たまに難易度4(最高5)ぐらいの超ハイレベル問題でも、あっさり解けることがある。それがまた、一瞬自分が天才になったような錯覚を起こさせてくれて何とも感動的だ。
 (ちなみに私は、難易度4「フジロック、サマーソニック、ロッキンジャパンとともに日本四大フェスに数えられる北海道の夏フェスは何?」について即答することができ、ちょっと涙ぐんでしまった。ちなみに夫は、「アルファベットで最後に来る元素記号」を正解していた。この差はいったい・・・。)

 さらに面白いのは、この本、実は「クイズを解く楽しみ」をくれるだけでなく、「クイズを作る楽しみ」も提供してくれる。いやむしろ、そちらが狙いなのかもしれない。巻末に、「クイズ問題作成の5ステップ」というコラムが載せられている。

 その内容は、クイズの解説以上に懇切丁寧。正確な情報のつかみ方から、ひねりのきいた面白い問題の作り方、そして見落としがちな「口頭でのチェック」(耳で聞いて、すぐに問題の意味がわかるか。同音異義語はないか等)まで書かれており、「なーるほどねぇ」と大いに納得。
 今までノホホンと観ていたクイズ番組だが、その裏には、どれほど涙ぐましいプロセスがあることか。一問一問にどれだけ神経をすり減らし、魂を込めていることか。
 本書を読み、クイズを解くのも大変だが、作る方がはるかに、はるかに大変であることがよくわかった。クイズ番組を作ってくださっているスタッフや出演者の方々に、改めて心よりお礼申し上げたい。

 これからクイズに挑戦したい方、クイズを作りたい方、クイズ研究会を発足したい方・・・何らかの形で「クイズ」というものに関わりたい方には、学ぶところ大の一冊といえよう。

こちらもおススメ→フェルミ推定力養成ドリル」

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価格:1,050円(税込、送料別)


フェルミ推定力養成ドリル

 実際に鮫の襲撃について心配する必要があるでしょうか。航空機で幼児をチャイルドシートに座らせる必要があるでしょうか。これらの問題に解答していくと、政治家やセールスマンによる、私たちに対する不合理な脅し戦術について理解できるはずです。
 (第11章「リスク」タイトル文引用)
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 最近、「Googleがほしがるスマート脳のつくり方」が売れている。
 これは、現在「世界一の頭脳集団」といわれるGoogleの入社試験とその解法が書かれている本だが、それと併行してぜひチャレンジしていただきたい問題集がある。
 
 それが「サイエンス脳のための フェルミ推定力養成ドリル」だ。

 フェルミ推定とは、一見、見当もつかない事象について予測を行うことだ。

 なかでも有名なのが、この問題。

 「ロサンゼルスにはピアノの調律師が何人いるか」


 そう聞いて、まずはタウンページを開くというのも手だが、それじゃつまらない。
 自分の頭だけで、その数を弾き出してしまおうじゃないか、というのがフェルミ推定なのである。




 いったいどこから手をつければいいかわからないかもしれないが、息を深く吸って、順を追ってゆっくり考えていけばわかる。

 それにはまず、「ロサンゼルスの人口」「フルタイムの労働時間」など基本的な知識が必要だ。

 そしてそれに加えて求められるのが、見当をつける力。
 フェルミ推定とは、ピッタシカンカンの数字を当てることではない。「当てずっぽうの推量よりはずっと近い値」を出すということがポイントだ。

 たとえばピアノの台数については、主な所有者のひとつである「学校」は、生徒約500人について1台置かれていると考える。
 このようにして順序立てて考えていくと、おおよその数値(しかし当てずっぽうよりはずっと正確な値)が導き出せるという寸法だ。

 他にも本書には、
 「地球の赤道上にゴルフボールをぐるりと1周並べたら、ボールはいくつ必要か」
 「全人類のDNAの長さはどのぐらいか」

 など、解けそうで解けない、でもやっぱり解けてしまう問題がズラリ。
 
 1問1問について実に詳しい解説が載せられているのも、本書の大きな魅力だ。

 ちなみに冒頭に挙げた引用文は、「海で鮫に殺されるリスクと、車で海へ出かけて死亡するリスクはどちらが高いか」といったリスク算出問題に寄せられたものだ。

 このような問題に触れることで、我々は自分自身に問うだろう。

 無駄な保険に入らされているのでは?
 無用な情報に翻弄され、枯れ尾花に脅えているのでは?

 たとえ厳密ではなくても、ちょっとフェルミ推定的に頭をひねってみるだけで、私たちはとんでもない過ちを犯さずにすむかもしれないのだ。

 いやそれほど深刻にならなくとも、本書を読むと、自分の体の指1本から宇宙レベルの出来事を推定できることに驚き、心底ワクワクする。
 この本にザッとでも目を通すと、読む前に比べて、世界がずっとカラフルに見えてくるだろう。

 フェルミ推定とは、一流企業への就職だけでなく、楽しい生き方をも伝授してくれる魔法の思考法なのである。

 ※まあ御託はいいから、とにかく問題を解いて解いて解きまくりたい!というマニアックな方(私もその一人)には、間違いなく満足度200%の1冊。

プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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