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「あなたのスマホがとにかく危ない」感想。「情報漏洩」の先にある「真の恐怖」に戦慄・・・!

 驚くのは、空腹を満たす手段として万引きという法律違反の答えをした生徒たちが、質問のルールに違反していると私を責めることです。
(本文引用)
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 冒頭の引用文を見て、「えっ? スマホの話じゃないの?」と思う人もいるだろう。
 
 しかしこの引用文は、まごうことなき「スマホ」の話。
 スマホの危険性を、如実に表した一例なのだ。

 「スマホが危ない」と聞くと、まず「個人情報漏洩」と思うだろう。

 それは確かにその通り。

 本書では、スマホによる個人情報漏洩から、ストーカー・誘拐・クレジットカードの不正利用・詐欺等の事例を豊富に紹介。

 
 犯罪被害を防ぐ「スマホ設定方法」を、非常に詳しく説明している。
 (ちなみに私は、本書を読みはじめて20分以内で5~6個は設定変更をした。危ない危ない・・・)

 しかし実は、スマホの恐怖は「その先」にある。
 
 本書を読むと、思わずこうつぶやいてしまうはず。

 「スマホやめますか? それとも 人間、やめますか?」

 元県警捜査一課、デジタル捜査のプロが語る「スマホの本当の恐怖」。
 これからもスマホを持つのなら、必読中の必読の一冊だ。

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「辺境で診る 辺境から見る」感想。中村哲さんは日本人でもアフガン人でもない。地球人だったのだ。

 彼らは外国人の情熱のはけ口でもなければ、慈善の対象でもない。日本人と同様、独自の文化と生活意識を持った生身の人間たちである。
(本文引用)
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 中村哲さんの「6万字インタビュー」が、令和2年2月12日に公開された。
 (サイトはこちら→「中村哲が14年に渡り雑誌『SIGHT』に語った6万字」。)

 6万字インタビューと本書を読み、改めて強く思う。

 中村哲さんは、真の「地球人」だったのだ、と。

 ご著書を読んでいると、心底「国境」という言葉を忘れてしまう。
 
 たまたま文化や言語、気候や宗教等違いはあるが、日本もアフガニスタンも「人間」は変わらない。
 同等の人権・思想・理想・信念・自尊感情を持ち、上下など一切ない。


 同じ人間が、気候等の何らかの違いで困っている。
 そこで彼らとともに力を併せ、解決していく。
 ただただ実直に誠実に、それを続けてきただけのこと。

 中村哲氏の本からは、そんな「フラットな目線」と「決してぶれない姿勢」がヒシヒシと伝わってくる。

 だから私は思う。
 中村哲さんの心の中の地図には、国境はなかったのではないかと。

 同じ地球に生きる者として、助けを必要としている仲間に手を差し伸べ、ともに歩む。
 そんな「真の地球人」だったのではないかと。

 本書を読み、改めて、中村哲氏の死が悔やまれる。
 
 中村氏の死去は、日本やアフガニスタンの損失にはとどまらない。
 地球全体が至宝を失ったのだ。

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「かんぽ崩壊」感想。「今日もゆるキャラのじじばばを探しに行こう」。血も涙もない巨悪不正の実態とは?

 「郵便局の人でなかったら、父は家にあげなかった。信頼を裏切られ、『食い物』にされてしまった」
(本文引用)
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 まず自らの不明を恥じてお伝えすると、かんぽ生命の保険販売の問題がここまで大きく発展するとは、予想だにしていませんでした。


 本書あとがきで、朝日新聞経済部次長はこう語る。
 
 私はさらに恥ずかしいことに、かんぽ生命の不適切販売が「ここまでひどい」とは思っていなかった。

 不適切販売ではなく、これは組織ぐるみの「詐欺」。
 悪質度では、振り込め詐欺と同レベル。
 
 しかも「もともと犯罪者集団」というわけではなく、正真正銘の郵便局員が行っていたわけだから、もはや何を信じてよいかわからない。

 
 詐欺や不適切販売は、ともすると「だまされるほうが悪い」「書面をよく読まないほうが悪い」と被害者を責めがちだ。
 だが、この「かんぽ生命不正事件」にかぎっては、こう言いたい。
 
 「だます方が絶対的に悪い」。

 本書は「かんぽ生命不適切販売のカラクリ」を徹底解明。

 人々によりそうはずの郵便局員が、なぜ悪魔に魂を売り、信頼を裏切る行為にはまりこんだのか。
 「だますこと」に麻痺する人間に、成り下がってしまったのか。
 
 被害者や、退職した元局員のインタビュー等から、驚きの手口と転落の軌跡を暴いていく。

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女性は物ではない。物以下だった。「なぜ、それが無罪なのか!?性被害を軽視する日本の司法」感想。

 無神経で、女性の心情や痛みをまったく理解しない鈍感な人であればあるほど、罪を免れて無罪になるのが今の日本の刑事司法。
(本文引用)
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 「だからあの性犯罪は、無罪なのか」と妙に納得した本。
 そして「なぜ無罪なの!?」と納得できない思いがさらに強まり、憤怒がわきあがった本でもある。
 
 法は「使いようによっては毒にも薬にもなる」というが、本書の事例はまさに「毒」としたもの。

 有罪となる条件をこねくり回し、「だから無罪」とする判決は、まさに詭弁。

 何と「相手の気持ちがわからない人ほど、無罪になる」という恐ろしい「法解釈」が、日本に鎮座していたのだ。


 性犯罪が正当に裁かれ罰せられるには、どんな法律・法改正が必要なのか。
 そして「性」に対して、1人ひとりがどんな認識を持てば、安心して暮らせるのか。

 弁護士・伊藤和子氏が多様な視点から、性犯罪の温床にメス。

 「性暴力・セクハラ」を断じて許さない社会への、処方箋を書いていく。

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日本一豪華な人生相談「泣いたあとは、新しい靴をはこう。」浅田次郎、平野啓一郎・・・10代の悩みにアノ大作家がズバリ回答!

 助けはいらないと強がって生きるより、いろいろな人の力を上手に分けてもらったほうが、本当の意味で強く生きられます。
(「あとがき」より)
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 うちの子は10代に入ったばかり。
 叱ると、とにかく口達者に言い返してきて毎日ヘトヘト。

 「生意気な!」と思うと同時に、こうも思うのです。

 「毎日、必死に生きてるんだよね。 大人からは想像もできないぐらい、頑張ってるんだよね」

 人生でいちばん悩み苦しむ10代。
 身近な人に相談できれば一番よいのでしょうが、恥ずかしくて言えない子も多いはず。

 本書には、そんな「言えない悩み」に、有名作家らが本気で回答。


 浅田次郎、平野啓一郎、ドリアン助川、冲方丁、中島京子、佐藤優etc.

 日本を代表する44名の「言葉の達人・人生の達人」が、10代の苦しみに真正面から答えていきます。

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追悼中村哲さん「医者 井戸を掘る」感想。「人としての優先順位」をつけられるようになる名著。

 医師たる私が言うべきことではなかろうが、「病気は後で治せる。ともかく生きのびておれ!」という状態であった。
(本文引用)
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 「中村哲さんは、人としての優先順位を、決して誤らない人だった」
 私がこんなことを言うのもおこがましいですが、それが本書を読み、最も感じたことです。

 人の命を救えるのなら、誰がやってもいい。
 名声なんていらない。
 ただただ、アフガンの人々に「水」をもたらし、疫病を防ぎたい。

 病は後でじっくり治す。
 それ以前に、とにかく生きていてほしい。
 
 中村哲さんは、ひたすら「命を救う・命を守る」ことをゴールとして、優先順位を設定し、人生を走り続けた人でした。


 本書は、中村哲さんの偉業「井戸掘りプロジェクト」を克明に伝えた本。
 
 大旱魃で、今にも生命が枯渇しようとしていたアフガニスタンに、中村氏はどうやって生命を吹き込みつづけたのか。

 本書を読めば、「人としての優先順位」をつけられるようになります。
 少なくとも、誤らないようになります。  

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「歴史の普通ってなんですか?」感想。「電車でメイク」は大正時代から!「昔はよかった」幻想、本当の原因とは。

 むかしは保育園がうるさいなんていう人はいなかった? むかしは地域の絆があって、社会全体でこどもを見守っていた? 歴史を直視せずにきれいごとを並べるのは、やめていただきたいものです。
(本文引用)
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 「昔」を美化する声が出るたび、こう思いませんか?

 「んなわきゃあない!」(タモさん風)
 
 「保育園建設反対」「児童虐待」「少年による凶悪事件」・・・そのような問題が起こるたびに、必ず飛び出すのがこんな声。

 「昔は子どもに優しかった」「昔の母親は必死に子どもを育てあげた」「地域みんなで子どもを見守った」etc.

 世の中には一定数、「自分の生きた時代」を「最高」と思いたがる人がいます。

 
 「自分の時代最高」の人は、今、何らかの社会問題や大事件が起こるたびに留飲を下げています。

 「それみたことか」とね。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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