道尾秀介「いけない」。犯人を知りたければ、本の中を探してはいけない!タイトルが「いけない」理由とは?
評価:★★★★★
――お前たちは大きな勘違いをしている。
(本文引用)
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さらに「もしや」と思い、ある行動に出たところ、真相をきっちり確認。
「最も重大な事件を起こした犯人」は、意外な場所にひそんでいたのだ。
そして犯人判明と同時に、本書のタイトルが「いけない」という理由も、よくわかった。
だって犯人が●●じゃ、「いけない!」って言いたくなるもの。
大人としては・・・ね。
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本書は4話からなる連作短編集。
ある日、夫婦が交通トラブルに巻き込まれる。
チンピラに人生を狂わされた夫婦は、妻が復讐を決心。
後日、チンピラの一人が殺される。
警察は妻から復讐劇の真相を聞きだそうとする。
その間、妻のもとには新興宗教の勧誘が。
警察と宗教が激しく出入りするなか、ある事故が発生する。
いったい誰が死んだのか。
そして妻の復讐劇は、本当に果たされたのか?
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本書は章末の最後に、ヒントとなる写真が載っている。
第1話では、舞台となる場所の地図。
第2話では、事件を報じるテレビ番組の映像。
第3話は、事件の様子を描いたメモ。
そして最終話は便せんの写真だ。
本書は短編集だが、それぞれがつながっていく群像劇。
一見、関係ない話に見えて、第3話、最終話・・・と回を追うごとに、登場人物や事件同士のつながりが見えてくる。
各章の謎解きにもワクワクするが、読むうちにチョコチョコとした小さな事件が、大きな事件を形作っていく様子は楽しすぎて悶絶。
そして頭にさんざん汗をかいた後、本を閉じてさらに一押し。
文章を読み「銅の解答」「銀の解答」にたどりついた後、「ある部分」に気づくと、思わず「アウッ」(←驚愕の悲鳴)。
「ある部分」に基づき、もう一度読み直すと、見事「金の解答」に行きつくことができる。
しかしこの「金の解答」は、非常に残酷なもの。
わかった瞬間に肌が粟立ち、全身急冷状態に。
さらに考察を進めると、「タイトルの奥深さ」にも震撼する。
これだけ超絶技巧がほどこされたミステリーなのに、なぜ「いけない」という、シンプルな言葉なのか。
それはきっと、一番の大罪を犯した人に合わせたから。
犯人に対し、何らかの忠告をするならば、やはり「いけない」という言葉になってしまうからだ。
(※あくまで私個人の見解です。)
繊細な人は「銅の解答」「銀の解答」にとどめておくのが、おすすめ。
打ちひしがれてもいいから「金の解答」にたどり着きたい人は、読み終えた後が勝負。
読了後も、本書を解剖する勢いで読みつくせば、きっと震える。
後遺症覚悟で、虱潰しに真相を究明していただきたい。
――お前たちは大きな勘違いをしている。
(本文引用)
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読み終えて一夜明けたが、まだ腰のあたりに衝撃がビリビリ残っている。
ミステリーで、ここまで骨の髄からゾッッとしたのは初めて。
しかも後遺症にまで悩む始末。
本書を目にするだけで、「あのショック」がビリッと来て、体中の血が冷えてくる。
さてここで、ちょっとネタバレ。
「本書を目にするだけで」と、私は書いた。
ということは「本書の中身」ではなく「本書の外観にショックの理由がある」ということ。
実は私が「ある最悪の真実」に気づいたのは、本を閉じた後。
読了後、何となく謎を解いたものの「何かがひっかかるんだよな~」と本書を眺めていたら、「!!!!!」
ミステリーで、ここまで骨の髄からゾッッとしたのは初めて。
しかも後遺症にまで悩む始末。
本書を目にするだけで、「あのショック」がビリッと来て、体中の血が冷えてくる。
さてここで、ちょっとネタバレ。
「本書を目にするだけで」と、私は書いた。
ということは「本書の中身」ではなく「本書の外観にショックの理由がある」ということ。
実は私が「ある最悪の真実」に気づいたのは、本を閉じた後。
読了後、何となく謎を解いたものの「何かがひっかかるんだよな~」と本書を眺めていたら、「!!!!!」
さらに「もしや」と思い、ある行動に出たところ、真相をきっちり確認。
「最も重大な事件を起こした犯人」は、意外な場所にひそんでいたのだ。
そして犯人判明と同時に、本書のタイトルが「いけない」という理由も、よくわかった。
だって犯人が●●じゃ、「いけない!」って言いたくなるもの。
大人としては・・・ね。
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■「いけない」あらすじ
本書は4話からなる連作短編集。
ある日、夫婦が交通トラブルに巻き込まれる。
チンピラに人生を狂わされた夫婦は、妻が復讐を決心。
後日、チンピラの一人が殺される。
警察は妻から復讐劇の真相を聞きだそうとする。
その間、妻のもとには新興宗教の勧誘が。
警察と宗教が激しく出入りするなか、ある事故が発生する。
いったい誰が死んだのか。
そして妻の復讐劇は、本当に果たされたのか?
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■「いけない」感想
本書は章末の最後に、ヒントとなる写真が載っている。
第1話では、舞台となる場所の地図。
第2話では、事件を報じるテレビ番組の映像。
第3話は、事件の様子を描いたメモ。
そして最終話は便せんの写真だ。
本書は短編集だが、それぞれがつながっていく群像劇。
一見、関係ない話に見えて、第3話、最終話・・・と回を追うごとに、登場人物や事件同士のつながりが見えてくる。
各章の謎解きにもワクワクするが、読むうちにチョコチョコとした小さな事件が、大きな事件を形作っていく様子は楽しすぎて悶絶。
そして頭にさんざん汗をかいた後、本を閉じてさらに一押し。
文章を読み「銅の解答」「銀の解答」にたどりついた後、「ある部分」に気づくと、思わず「アウッ」(←驚愕の悲鳴)。
「ある部分」に基づき、もう一度読み直すと、見事「金の解答」に行きつくことができる。
しかしこの「金の解答」は、非常に残酷なもの。
わかった瞬間に肌が粟立ち、全身急冷状態に。
さらに考察を進めると、「タイトルの奥深さ」にも震撼する。
これだけ超絶技巧がほどこされたミステリーなのに、なぜ「いけない」という、シンプルな言葉なのか。
それはきっと、一番の大罪を犯した人に合わせたから。
犯人に対し、何らかの忠告をするならば、やはり「いけない」という言葉になってしまうからだ。
(※あくまで私個人の見解です。)
繊細な人は「銅の解答」「銀の解答」にとどめておくのが、おすすめ。
打ちひしがれてもいいから「金の解答」にたどり着きたい人は、読み終えた後が勝負。
読了後も、本書を解剖する勢いで読みつくせば、きっと震える。
後遺症覚悟で、虱潰しに真相を究明していただきたい。