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「病魔という悪の物語 チフスのメアリー」感想。コロナ禍で「心に留めておきたいこと」がここにある。

 人間というものは、本当に、自分よりも弱い立場に貶められた人を見つけると、その人をもっと貶めて喜ぶところがあるらしい。
(本文引用)
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 新型コロナウイルスで、問題となるのは「2つの伝播」だ。
 ひとつはウイルスの伝播で、もうひとつは「噂」の伝播。

 感染者や、「検査の結果待ち」の人が移動しただけで、ネットリンチにさらされる。
 
 私はそれを「現代ならではの残酷さ」「SNS時代ならではの無情」と捉えていた。
 ひっくり返せば「昔は良かった」というところだ。

 しかし「チフスのメアリー」を読み、その考えは180度変わった。

 弱者に対する誹謗中傷は、昔も今も変わらない。


 いや、昔のほうがひどい。
 SNSで、様々な意見が飛び交う今のほうが自浄作用が働き、はるかに「まとも」なのかもしれない。

 本書の内容にガタガタと震えながら、私は認識を改めた。
 改めざるを得なくなった。

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「不倫」感想。不倫はしない方がいい。でも不倫を責めるのは、もっとしない方がいい。

 「浮気や不倫はダメだ」「二股なんてとんでもない」と叩いても、叩く人自身の脳に「自分は“正義”を執行している」という快楽を呼び起こす以上の効果はありません。
(本文引用)
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 最近発覚した、ある芸人さんの不倫報道。
 そのニュースを聞いた瞬間、こう思った。

 「いよいよ真剣に、不倫について考える時機かもしれない」。
 
 件の記事を読んだとき、「これはもう倫理観では片づけられない、もっと根本的な問題が潜んでいるな」と直感。
 不倫について、「脳構造」「遺伝子の塩基配列」で考えねばならぬ、と感じたのだ。
 
 そこで、ずっと気になっていた本書を購入。
 
 タイトルはズバリ「不倫」。
 「脳科学といえばこの人!」の中野信子先生が、「不倫」を「脳科学的視点」から解説。
 
 そこには、私が思っていた以上の「不倫の根深さ」があった。
 結論から言うと、「不倫」は人類からなくならない。
 酸素や水と同じぐらい、この世からなくなることはないであろうことが、よくわかった。


 だから、他人の不倫を責め立てるのは「無意味」であり「時間の無駄」。

 今現在、『赤の他人の不倫にカッカしている人は、本書を読んでみてはいかがだろうか。
  他人の不貞に振り回されて、人生の貴重な時間を無駄にすることが、すっかりなくなるであろう。
 (※あくまで“赤の他人”。自分の伴侶の不倫については、その限りではない。)

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「虹色のチョーク」感想。子どもの本当の愛し方、この本でやっとわかった。

 心優しい真士さん、兄と弟を思いやる次男は、裕子さんにとって叫びたいほどの自慢の息子だ。
(本文引用)
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 「あー、私の子育て、間違ってたわ!」
 「そうか・・・子どもって、こういう風に愛するべきなのね」

 読みながら、心の中で、何度そう呟いたことか。

 1ページめくるごとに「自分の子育て観」の誤りに気づかされ、頭がグワングワンに。

 夕食時に、夫に「私、子どもの愛し方、間違ってたよ。あのね、『虹色のチョーク』って本を読んだんだけどね・・・」と、本書について熱く語ってしまった。

 「虹色のチョーク」は、ある町工場を描いたノンフィクション。
 その町工場は、社員の7割が知的障がい者。

 しかし読むうちに、障害の有無など完全に忘れてしまった。


 障害も健常も関係なく「人間の価値とは何か」「子どものどんな点を認めるべきか」について、大きな気づきを得ることができた。

 子育てに悩んでいる人、特に「子どもの価値をわかりやすい基準(勉強ができる、スポーツができる、ピアノが上手い等々)」で計りがちな人(私のことだが)に、心の底からおすすめの一冊。

 子どもの本当の愛し方、認め方が「やっとわかった!」と、眼前の霧がサーッと晴れることだろう。

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「患者になった名医たちの選択」感想。生きるエネルギーが燃えるようにわいてくる人生バイブル。

 「できることしかできない医師になったが、平凡な僕に、個性と武器が加わった」
(本文引用)
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 「ああ、私は私に生まれてきて良かった」
 「自分の人生、生き抜いた」
 「人生、楽しかったな」

 死ぬ間際に、そう思える生き方をしたい。

 本書は、そんな生き方のヒントをくれる一冊。
 
 難病に侵され、絶望の淵に立たされた医師たち。
 もはや医師生命は絶たれた・・・と、生きる意味を失いかけた医師たち。

 しかし彼らを待ち受けていたのは、さらに素晴らしい医師人生だった。

 ページをめくるごとに「私にも、私として生まれてきた意味がきっとある」と、力がムクムク。
 本書を読み終えた今、私にはこんな自信がある。


 今後どんな艱難辛苦に遭おうとも、私は言うだろう。

 「私は生きられる」と。 
 そして「生まれてきて良かった」と。 

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「まどわされない思考」感想。デマ・誹謗・中傷で人生破滅させない究極の処方箋。

 怒りを共有することで気分がすっきりするかもしれないが、建設的な問題解決策を見つける助けにはならない。
(本文引用)
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 「まどわされない思考」・・・今、最も大切なスキルかもしれない。

 ネットで誰かが批判コメントをすると、それが付け火となり、火の勢いはどんどん加速。
 時々、「えっ? この人、いつも冷静な意見をつぶやいてるのに・・・」と信頼していたような人まで、過激な意見をリツイートしたり、事実から離れた批判コメントに賛同していたりする。

 そんなつぶやきを目にすると、暗澹たる気持ちに。
 「ブルータスよ、お前もか・・・」と、泣けてくる。

 かく言う私も、きっと無意識にまどわされてる。
 SNSで誹謗中傷まではしないものの、脳の中はきっと、デマや思いこみ、歪められた事実でいっぱいのはずだ。


 ではどうすれば、デマに惑わされず、物事に冷静に対処できるのか。
 どうすれば他者の大きな声に惑わされず、落ち着いて「それは違うのでは?」と己を保つことができるのか。
 
 本書では、その「究極の方法」を伝授。

 方法はとってもシンプル。
 でも「そうか! そう考えればいいんだね」と思わず膝をパチン!

 さすがアイルランドベストセラー第1位。
 気づきそうで気づかなかった見事な「まどわされない思考法」、ここに降臨、である。

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「黒い司法 黒人死刑大国 アメリカの冤罪と闘う」あらすじ感想。映画化された実話!差別冤罪は決して他人事ではない。

 不当な扱いを受ける人を見過ごしにすれば、誰もがみな共犯者だ。
(本文引用)
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 米国での、白人警官による黒人男性暴行死事件。
 事件を受け、今、人種差別に対する抗議が世界中で広がっている。

 そこで読んでみたのが、「黒い司法」。
 黒人弁護士が、無実の罪で死刑判決を受けた黒人男性を救ったノンフィクションだ。
 
 読みながら、何度怒りに震え、悲しみに涙したことか。
 
 しかし本書を読み、最も感じたのはこれだ。

 「差別・冤罪は決して他人事ではない」

 人種に限らず、私自身も差別感情・先入観で、誰かに罪を着せているかもしれない。
 そしていつ、私自身も理不尽な受け、罪を着せられるかわからない。

 
 本書は「黒人・白人」という問題を越え、人間に根付く「差別・先入観・固定観念が導く不当な行為」の恐ろしさを訴えている。

 「黒人じゃないから」「人種差別のない国に住んでいるから」・・・と無関心でいる場合ではない。

 人種差別は、あらゆる差別のなかの一種類。
 いつ、誰でも、本書のような事件に巻き込まれ、“合法的な死刑”を受ける恐れもある。

 差別・冤罪は決して、全く他人事ではない・・・そう思えたことが、本書を読んだ最大の収穫だ。

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「自分をコントロールする力」感想。読んで損なし!日本ラグビーを強くした「秘密のスキル」とは?

 欲求をうまくコントロールできた子どもは、青年期にストレスにうまく対応できることも示されています。青年期といえば、友達関係に悩んだり、いじめにあったり、受験のストレスがあったりと、決して楽な時代ではありません。大変な青年期を乗り切るために、子ども期の実行機能が役に立っているのです。
(本文引用)
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 日経新聞の「在宅ワークにおける心がけ」といった記事で、推薦されていたため読んでみた。

 読んでビックリ。
 「この本を読まなかったら、人生危なかったかも・・・」とブルッと戦慄。

 「人生」という大海に泥の船で漕ぎ出し、波に翻弄され誤った判断をつづけた末、あえなく転覆するところだった。

 本書はタイトル通り、「自分をコントロールする力」を解説する本。
 
 目標を達成するために、目の前の誘惑に惑わされず、欲求に流されることもなく、自分をコントロールする。
 そんなスキル=「実行機能」について、著者は習得メソッドも併せて解説していく。


 実行機能を鍛えておけば、嵐が来ても台風が来ても、人生の海を巧みに操舵。
 いつ荒波が来るかわからない人生を、慌てず騒がず落ち着いて、見事にわたりきれるだろう。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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