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「囚われの山」感想。八甲田山死の真相!なのに「山の話」ではないのが面白い!

「退却することも勇気だと誰も言わなかったところに、逆に軍隊の弱さがあるんです」
(本文引用)
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 個人的に「山岳小説にハズれ無し」と思っている。
 また著者が伊東潤さんということで、「骨太本格小説」というのは確実。
 
 テーマ・著者、どちらから見ても「読むしかない」と判断。
 買って正解。
 謎が謎呼ぶ展開で、ページをめくる手を止められず・・・購入した日に一気読みしてしまった。

 しかしこの「囚われの山」、「思ってたんと違う」のが正直な感想。
 「山岳小説」と思って読んでいたら、実は「山の話」ではなかった。
 いや、まぎれもなく「山の話」なのだが、真のテーマは「山の話ではない」。


 なぜ私が「山の話なのに、山の話ではない」と思ったのか。
 あらすじと共に述べていきたい。

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天下人の茶  伊東潤

評価:★★★★★

 「お二人は組み合ったまま、谷底に落ちていった。そこは、われらには近づけぬ深い谷だったのです」
(本文引用)
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 小説や漫画で、豊臣秀吉と千利休の仲違いのエピソードを読むたびに「えっ?確かあの2人、仲良かったじゃん!?」と目を剥いてしまう。それはまるで、クラスで仲良し同士と評判だった女子2人組が、ある日突然無視しあうようになったのを見たときのような心境だ。

 千利休が切腹をすることになった理由には諸説紛々あり、いまだ多くの謎が残されている。
 この物語で描かれる「千利休の最期」も、真相というわけではなく、あくまで「諸説」のひとつなのだが・・・もしもこれが真相だったらちょっと、いや猛烈にゾクゾクする。

 権力を奮いまくる秀吉と、その側近のように静かに寄り添う利休。
 果たして、この二人の間にはいったい何があったのか?



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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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