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「人類と病」感想。感染症克服の合言葉、それは「病に国境なし」。

 身勝手なナショナリズムが蔓延る今だからこそ、感染症協力に内在する潜在力を最大限生かす政治的努力が求められている。
(本文引用)
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 世界中、誰にでも「健康でいる権利」がある。
 本書を読み、そんな当たり前のことに「ハッ」と気づかされた。

 自分の思考を振り返ると、コロナに対し「自分さえ良ければいい」「自分の周囲さえ安全ならいい」と思っていた気がする。
 心のどこかで、「ウイルスを持ち込むな・持ち込ませるな」という排除主義・分断主義に陥っていたかもしれない。
 
 だが本書で、そのような分断主義は「コロナ終息を遠ざける」とわかり愕然。
 
 世界中の人は皆、「健康でいる権利がある」と考え、手を携えていく。
 気候や経済状態がどんなに異なっていても、「健康でいたい」という気持ちは変わらず、それは叶えられねばならない。

 本書では「自分のコロナ対策」ではなく、「世界の感染症対策」に視座を上げ、病との闘いを解説。

 
 「真のコロナ対策・感染症への向き合い方」が、ありありと見えてくる一冊だ。

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「コロナの時代の僕ら」感想。読めば必ず「身勝手な行動」ができなくなる一冊。

 僕は忘れたくない。結局ぎりぎりになっても僕が飛行機のチケットを一枚、キャンセルしなかったことを。どう考えてもその便には乗れないと明らかになっても、とにかく出発したい、その思いだけが理由であきらめられなかった、この自己中心的で愚鈍な自分を。
(本文引用)
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 いわば新型コロナ版「君たちはどう生きるか」。
 
 コロナ終息後まで見通して、「自分はどんな人間であるべきか、どんな人間でありたいか」を考えていく一冊だ。

 GWに入り、いよいよ「どれだけ感染拡大防止に寄与できるか」が、試される時になった。
 そこでぜひとも読みたいのが、「コロナの時代の僕ら」。

 本書では、この未曽有の事態を通し「己の生き方」を見直すことを提言。

 コロナが終息した後、どれだけ胸を張って生きていけるか。
 「あの頃の自分は恥ずかしくなかった」と言えるか。


 その二つを、本書はじっくり考えさせる。
 
 だから、もし「自分は大丈夫」「ちょっとだけなら・・・」という気の緩みに襲われかけたら、そのつど本書を開きたい。

 コロナ終息後、「自分は恥ずべき人間」と身を縮めて生きていくか。
 「自分は恥ずかしくない人間だ」と、背筋を伸ばし、堂々と生きていくか。
 
 どっちを選ぶかは個々人の考え方だが、私は迷いなく後者を選ぶ。

 本書を読み、私はさらに身を引き締めた。

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「感染症 広がり方と防ぎ方」新型コロナウイルスにも言及した増補版!日本人がSARSに感染しなかった歴史から予防法を考える。

 社会におけるウイルス伝播を阻止するために集会禁止や休校は有効であるが、いつまでも続けるわけにはいかない。日常生活のなかでウイルス伝播を妨げることが重要である。そのためには、日本人の清潔行動文化を国民が意識し、かつそれを効率的に活用することである。
(本文引用)
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 新型コロナ感染予防、つい「あの人はなぜ感染したのか」と考えてしまう。
 しかし感染症予防には、もう一つ「重要な情報」があった。
 
 それは「なぜ感染しなかったのか」という情報だ。

 本書は、国・地域ごとの患者数から「感染しなかった理由」を解明し、予防法を解説する。

 今や感染経路が追いきれない状況。
 「なぜ、どこで感染したのか」ばかり考えていては、埒が明かない。
 
 同じ状況でも「感染しなかった人」の行動を見た方が、手っ取り早く「予防のヒント」を得られそうだ。

  
 「感染した人の行動」を知るのも大事だが、まずは本書で「感染しなかった人」の行動を知ってみよう。

 より効率的に、確実な策がとれるはずだ。 

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岩田健太郎「新型コロナウイルスの真実」感想。「コロナ疲れに効果あり!」の会心の一冊。

 求めるべきは、安全だけです。「こうやったら感染は防げる」「こうやったら防げない」という線引きをちゃんとして、その通りに行動する。やるべきことはそれだけなんですよ。
(本文引用)
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 本書を読み、やっと「正しく恐れること」の端緒が見えた気がする。
 以前は「とにかく最大限に恐れていれば良いだろう」と、考えていた。

 「やりすぎ」というぐらい恐れておけば、とりあえず損はないだろう。
 そんな心情で、ずいぶん神経をすり減らしたものだ。

 しかし本書を読み、「無理・ムラ・無駄」をそぎ落とし、「これだけは肝要」という対策に絞ることができるようになった。
 
 いわば本書は、コロナにまつわる受験対策本。
 最小限の力で、「確実に合格する勉強法とポイント」を紹介している本である。

 コロナ対策で疲弊している人は、本書を読めばかなり心の安寧が得られるはず。
 そして、さらに気を引き締めて、ピンポイントのコロナ対策ができるようになるだろう。

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「感染地図 歴史を変えた未知の病原体」感想。新型コロナ、感染経路の特定・公開をしてほしい理由。

 今日、私たちが直面している脅威がどれほど深刻であろうと、その脅威の下に横たわる原則に気づきさえすれば、迷信ではなく科学の声に道を傾けるようにすれば、真実が隠れているかもしれない異なる意見に道を開くようにすれば、解決策はかならず見つかる。
(本文引用)
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 新型コロナの感染情報で、もどかしく思う時がある。
 それは「患者の行動範囲」が、いまひとつ明かされないことだ。

 事案によっては、特定の施設や、かなり絞った自治体レベルまで公開されることがある。

 しかし「●●県」や「××市」レベルだと、感染原因・経路がわからない。

 プライバシーの問題もあり、難しいとは思うが、コロナ克服のためには「感染経路特定・公開」が不可欠ではなかろうか。
 (その代わり、感染者及び関係者に対する差別などは、絶対にあってはならない。
  感染者に対する差別は、却ってコロナ克服を遠ざけていることを、1人ひとり自覚すべきである。)


 人類が感染症を乗り越えるために、なぜ「感染経路特定・公開」が重要か。
 本書を読めば、その理由がよくわかる。 
 
 1854年、ロンドンのとある一角で異変が発生。

 周辺住民が次々と倒れ、悶絶の末死亡する。

 病の正体は何なのか。
 そしてどうすれば、たとえ病にかかっても、最悪の結果を防げるのか。

 医師・科学者たちが、当該地域をつぶさに調査。

 病の原因と「克服の決定打」を、徐々にあぶり出していく。

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「首都感染」あらすじ感想。コロナ対策課題図書!「外出自粛は効果ある?」と思ったら必読。

 「その気になれば、どこだって安全です。要は、家にじっと閉じこもっていればいい。しかしそれが一般には出来ないことです。腹が減った、人に会いたい、仕事がある、ちょっとくらい外出してもいいだろう。自ら感染を求めているようなものです」
(本文引用)
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 ついに緊急事態宣言発令。
 今や対象地域はもちろん、全国民、いや、全人類が一枚岩となって「外出自粛」すべき時局に直面している。

 しかしこの外出自粛、今なお浸透してない模様。
 自粛疲れ、「自分は感染しても大丈夫」という妙な自信、「これだけ感染者が増えてるなら、今さら自粛しても無駄」という諦観・・・。

 そんな心理状態から、なかなか外出自粛しきれない様子がうかがえる。

 そこでもう、ホンットーーーーーーーにおすすめしたいのが「首都感染」。

 読めば一発で、「外出自粛の重要性・必要性」がこれ以上ないってほど、よくわかる。


 実は私も本書を読む前は、「外出自粛」を甘く見ていた。
 
 しかし本書を読み、私は急きょ「子どものピアノレッスン(※先生の自宅での個別授業)欠席」を決定。
 連絡したところ、先生のご提案により、今月中はオンライン講義を受けることとなった。
 
 先生のご配慮と工夫には、頭が下がるばかりである。
 (※先日、Zoomによるオンラインレッスン1回目を終了。
 予想以上にしっかりレッスンできて、私としては大大満足! 子どもは、「親が見ている」ということで照れがあったようだが・・・。
 先生、本当にどうもありがとうございました!!)


 今現在、「ちょっとぐらいなら・・・」と不要不急の外出を考えているなら、まずネット通販で本書を取り寄せてみてほしい。
 
 「・・・そうか! だから外出自粛が必要なんだ!」と目からウロコが落ちるはず。

 なかでも「コロナ疎開」を考えている人は、絶対必読。
 「なぜ他の地域に移動してはいけないのか」が、頭の先から足先まで染み渡るように、認識できる。
 
 もし交通機関のチケットを取っていたとしても、本書と「経済は感情で動く」の指針をもとにし、キャンセルすべきである。 

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「経済は感情で動く」感想。コロナ対策、外出自粛に効く一冊!

 払ったお金をくよくよ悩むくらいなら、それを利益に換算してみるほうがいい。少なくともお金はすでに払ってしまったのなら。
(本文引用)
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 新型コロナウイルス感染拡大で、怖いのが「心のエラー」。
 つまり「判断ミス」だ。
 
 その主なものが、「予約していたイベントの開催・出欠」判断。

 自粛要請にも関わらず、無理やり旅行やパーティー決行。

 しかしその結果、自分も周囲も苦しい目に遭わせては、一生十字架を背負うことになる。

 ではどうすれば、そのような「判断ミス」を起こさずにすむのだろうか。

 そこで、ぜひ読んでおきたいのが「経済は感情で動く」

 購買行動は、人間の「心の法則」で動いている。


 しかし、その「心の法則」、初期設定がかなりポンコツ。
 
 こと、お金が関わるとエラーばっかり引き起こすのだ。 
 
 本書では、そんな「心のエラー」をたっぷり解説。
 
 クイズ形式で「人間の判断ミス」をズバリ指摘し、的確な判断へと導いていく。
 
 本書を読めば、今回の緊急事態下でも、後悔のない判断・行動ができるだろう。
 

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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