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「十二単を着た悪魔」感想。受験生必読!「源氏物語」がこれ1冊でわかります。

 「女が幸せな人生を勝ちとるのに、必要なものは二つだけ。決断力と胆力だ。それさえあれば、たいていのことはどうにでもなるわ」
(本文引用)
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 「受験で古文が必須」「でもなかなか古文に興味が持てない・・・」
 そんな悩みをお持ちの高校生諸君!
 今すぐ「十二単を着た悪魔」を読もう。

 あれほど理解に苦しんだ「源氏物語」が、これ一冊で丸わかり。
 
 わかりにくい身分、こんがらがった人間関係が、「あ~、そういうことだったのね!?」ともつれた糸がホロホロ。
 
 「今まで、何で物語がわからなかったのだろう?」とハテと首をかしげるほどだ。

 ストーリーがわかると当然、源氏物語の面白さが頭と心にしみるしみる。 

 
 「これは世界最大のロングセラーになるはず!」「今でもこんな小説、なかなか現れないわ~」と、心の底から納得した。
 (でもこれ、現代の小説で書いたら18禁ものだよね・・・)

 ちょっと、というか、かなり際どい箇所もありますが、「源氏物語」とはそういうもの。
 受験生の保護者の皆さま、「どれどれ」と本書を読んだら、眉をひそめることもあるかもしれない。

 でも受験突破のためには、ぜひ目をつぶっていただきたい。
 古文と和歌の解釈がスルスルわかり、古文が得意になっちゃうはず。
 
 もしかすると理系から大きく方向転換して、「古文の研究者になりたい」なんて言い出すかも!?

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「すぐ死ぬんだから」(内館牧子)感想。これはもう読むプラセンタ!読むだけでマイナス10歳になります。

評価:★★★★★

 先のない年代に大切なのは、偽装。これのみ。
(本文引用)
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 「終わった人」がベストセラーとなった内館牧子。
 
 今回は「終わってない人」が主役。
 いや、「終わらない人」と言うべきか。

 年齢という激流にのまれても、岩にしがみついて「終わらない人」がヒロインだ。
 
 タイトルからわかる通り、「老後」がテーマだが、この本、若い人にも超おすすめ!
 「自分をあきらめる人」は、高齢者だけではない。
 10代でも20代でも、自分をあきらめそうになっている人はたくさんいる。

 もし現在、そんな自暴自棄な気持ちになっていたら、借金してでも本書を買うべき。

 ラストに向かうにつれて、生きる力が、尾てい骨の奥からグワァッとわきあがってくる。

 騙されたと思って、手に取ってみてほしい。 

 いいじゃない、いつか死ぬんだから。
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■「すぐ死ぬんだから」あらすじ



 忍ハナは78歳。




 
 「年相応に見られないこと」「10歳若く見られること」が座右の銘だ。
 
 ハイセンスの服、差し色を利かせたコーディネート、ネイルにも細心の注意を払い、「若くかっこよく見られる」ことに心血を注いでいる。

 そんなハナを、夫・岩造は誇りに思っている。
 周囲に「ハナは俺の自慢」と言ってはばからず、夫婦仲は良好だ。

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 ところがある日、岩造が急逝。

 岩造がいなくなったことで、ハナは抜け殻のようになり、美容もファッションもほっぽりだしそうになる。

 しかしお香典返しを考えるうちに、夫の「重大な秘密」が発覚。
 
 ハナはいっそう自分を磨くようになり・・・?
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■「すぐ死ぬんだから」感想



 死んだ夫の「重大な秘密」は、たぶん多くの人が予想できるもの。
 「夫の秘密」自体は、そう目新しいものではない。

 ところがさすが内館牧子。
 陳腐な設定なのに、続きが気になり一気読み。

 ハナの心の紆余曲折に、「この先どうするの!?」と目が離せなかった。

 岩造が死んだことで、一気に老け込むのか。
 夫の目がなくなると、オシャレをしなくなるのか。
 そしてハナの「アンチエイジング魂」は、鎮火するのか、ますます燃え上がるのか。

  「いつまでもキレイでいたい」と少しでも思っているなら、ハナの変化は必読。
 読むだけで脳と心がギラギラワクワク。
 身体中のシミ・シワがとれてハリが出てくるようだ。

  「すぐ死ぬんだから」は、もはや「読むプラセンタ」。
 まだ死ぬような年齢でなくても、エイジングサインが気になりはじめたら、読んで損なしの一冊だ。
 
詳細情報・ご購入はこちら↓

終わった人  内館牧子

評価:★★★★★

先が短いという幸せは、どん底の人間をどれほど楽にしてくれることだろう。
(本文引用)
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 この小説を読んでいる途中、夫にあらすじや感想を熱く語ったところ、夫はすぐにこう言った。

 「ドラマ化されるかもね」

 !そうだ!夫よ、ナイスコメント!これ、絶対にドラマ化してほしい!

 というわけで、勝手に配役まで考えてしまった。
 壮介は寺尾聰で、千草は黒木瞳、トシは佐藤浩市で、道子は安藤サクラ、久里は永作博美、鈴木は要潤・・・。
 
 こんな風にまざまざと映像化して考えられるのは、やはり著者が脚本家だからだろうか。



 とにかく台詞の1つひとつが、一言一句の端々まで生き生きとしており、物語にぐいぐい入りこめる。
 ついには、この絶望と哀愁と希望とユーモアあふれる人間ドラマの中に入りこんだような錯覚に陥り、何度も登場人物に「ちょっ!それはダメだよ!」なんて話しかけそうになってしまった。久しぶりに、非常に面白い読書をした。満足、満足。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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