評価:★★★★★
「相手が尊敬に値する人物だと思えば、容疑者も自供しようという気になるものだ」(本文引用)
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2020年お正月に、2夜連続でドラマ放送される「教場」。
キャストを見るかぎり、「教場2」の物語も放送されるようだ。
さて、ここでドラマ「教場」を100倍楽しむ方法を伝授したい。
それは本書「教場2」を読むこと。
極端に言うと、「教場」よりも「教場2」を読むのを断然おすすめする。
なぜなら主役のキャスティングに納得できるから。
ドラマで主役を演じるのは、木村拓哉さん。
「教場」だけ読むと、「えっ?キムタク? ちょっと若すぎない?」と違和感を覚える。
ところがどっこい。
「教場2」を読めば、「これはキムタクしかないわ~」と納得納得、大納得!
はっきり言おう。
主役・風間教官は、キムタクじゃないとダメ!
特に本書第四話「敬慕」は、木村拓哉さんじゃないと成り立たない。
キムタクだからこそ、登場人物の複雑心理や、「ハッ」と息をのむ結末に納得できるのだ。
「教場」しか読んでいない人は、ドラマの楽しみも半減。
ドラマ「教場」をどっぷり楽しむなら、「教場2」は必読だ。
(※「教場」のレビューはこちら)________________________________
■「教場2」あらすじ
舞台は警察学校。
第百期の生徒たちが、退校処分にドキドキしながら厳しい訓練を受ける。
百期の生徒のなかに、一人変わり種がいた。
生徒の名は桐沢。
彼は内科医から警察に転向したという、珍しい経歴をもっていた。
元医師だけに頭が切れ、将来を嘱望される桐沢だが、ある日大きなミスをおかす。
何と警察手帳を紛失。
手帳の紛失は即退校。
しかし状況から見て、盗難の可能性が高い。
ある日、教官の風間は、桐沢に宿題を出す。
容疑者から情報を聞き出すには、どんな訊問方法が効果的か。
その宿題から、手帳盗難の謎が明るみに・・・!
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■「教場2」感想
ドラマを楽しむには「教場2は必読!」と書いた。
しかしドラマ云々を抜いても、「教場2」は読んだほうがよい。
ずばり「教場」より良い。
謎にいっそう深みが増し、推理の切れ味もスパッと鋭い。
しかも人間味たっぷりで、読んでいて非常に気持ちが良い。
「教場」も面白かったことに、かわりはない。
だが描写が克明なだけに、自分まで「ふるい」にかけられる強迫観念に襲われ、読むのがつらかった。
しかし本書は読んでいて、実に楽しかった。
生徒たちがみるみる、嫉妬を克服。
依然、妬み嫉みはあるものの、物語が進むにつれ「嫉妬の醜さ」を知ることに。
風間の指導のもと、己の浅はかさ・愚かさを悔い、警察官・人間としてグンと成長していくのだ。
人間心理を巧みについた謎解きも、心臓がウズウズする面白さ。
「へぇ~、そうなんだ!!」「人間って、そういう風に答えちゃうのね~」とビックリフムフム。
まるで手品のタネ明かしを見ているようで、「次はどんな心理マジックを見せてくれるのかな?」と、一話一話悶絶するほどワクワクした。
心理マジックの点で特に秀逸なのは、第三話「罰則」。
「香りと記憶」を結びつけることで、「完全犯罪」が崩壊する物語。
バレないと思っても、何がきっかけでバレるかわからない。
「悪いことはできないものですなぁ~・・・」と、思わず深く息を吐いた。
そして冒頭で書いた第四話「敬慕」。
「敬慕」を読めば、「こりゃ主役は、キムタクしかないわ!」と誰もが思うはず。
「教場」が連ドラになったら、「HERO」の久利生公平のような「キムタクの当たり役」になるだろう。
2020年のお正月に、ぜひとも観たいドラマ「教場」。
「教場」しか読んでいない方は、ぜひぜひぜひぜひ「教場2」も読んでいただきたい。
キャストがいかに「ドンピシャリ!」かが丸わかり。
ドラマが何百倍も楽しくなる。
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