映画「七つの会議」を観てきました。
もともと原作が大好きなので、期待して観ましたが・・・。
(※「七つの会議」原作レビューはこちら) 結論。
期待をグーーーーーンと上回る傑作。
原作の「言いたいこと」をしっかり煮詰めに煮詰めて、さらにわかりやすく伝わるように、丁寧に丁寧に作られた印象。
飽き・ムダのない展開で、最初から最後まで
劇場全体にピーンとした緊張感が。
観客が皆、
「ゴクリ・・・」と息を飲んでいる様子がヒシヒシ感じられました。
観て本当~に良かったです(^^)
この映画、まず
キャスティングがナイス!
「居眠り八角」役の野村萬斎さんが、「池井戸イズム」をしっかり体現しており、ただただ感動。
実は私、原作を読んだ時点では、八角さんについて「脂肪のつきまくった、だらしなくて臭いおじさん」というイメージがあったんです。
でも野村萬斎さんは「おじさん」ぽくないし、スッキリ・こざっぱりした印象があります。
だから
「八角さんに合わないのでは?」なんて思っていたんです。
ところが野村さんの演技は、
「原作以上に八角らしい八角」。
救いようもないほどグウタラしてるのに、心の中には正義の炎がメラメラ。
その姿はまるで、酔拳で相手を倒すジャッキーチェン。
野村萬斎さんの怪演は、居眠り八角の二面性を見事に表現していました。
そして八角にからむ北川部長・香川照之さんがまた最高!
冷酷なようで悪者になり切れない、わりとガラスのハートの持ち主。
徐々に「大切なもの」を取り戻していく心の変遷を、香川照之さんは天下一品の“顔芸”で、私たちに伝えてくれました。
さすがです。
及川光博さんも、相変わらず「優しさ」がにじみ出た演技で
ス・テ・キ。
一見、事なかれ主義に見えて、「誰かを守るためには、やるときゃやる!」。
そんな硬軟併せ持つ人柄を好演されていて、観ていて非常に気持ちよかったです。
及川光博さんって、本当に良い人なんだろうなぁ・・・。
そして一番
「役柄ピッタリ!」と吹き出したのが、
オリエンタルラジオの藤森さん。
(一緒に観ていた娘も「ハマってたね」と絶賛)
「七つの会議」を観て、
「藤森さんほどせこくてズルイ人間を演じられる人はいない!」という妙な感動が・・・(藤森さん、ごめんなさい!誉めてるんですよ~)。
もうね、映画のスピンオフで、藤森さん演じる「新田特集」をやってほしいぐらい。
藤森さんが、今後どんどん俳優として活躍されるのが楽しみです。
それにしてもこの「七つの会議」、キャストはさながら池井戸ファミリーの同窓会でしたね~。
香川照之さん・及川光博さん・片岡愛之助さん・北王子欣也さん等の「半沢直樹」チーム。
立川談春さん・世良公則さん・小泉孝太郎さん・土屋太鳳さん・春風亭昇太さん・木下ほうかさん等々の「下町ロケット」チーム(「ルーズヴェルトゲーム」も)。
役所広司さんら「陸王チーム」等々・・・。
登場人物が新しく現れるたびに、「またまた池井戸ファミリー来たーーー!」と大興奮してました。
「池井戸ファミリー」は、もはや「小室ファミリー」「橋田壽賀子ファミリー」に続く芸能界3大ファミリーのひとつ。 いつか池井戸作品オールスター大感謝祭とかやってほしいです。
それはいいとして、映画「七つの会議」、本当に面白かった!集中できた!
寝る前まで、家族で「良かったね~」と何度も反芻しちゃうほど楽しめました。
ぜひ皆さんも、原作・映画合わせて「七つの会議」をご覧になってみてください。