このカテゴリーの最新記事

「香水」あらすじ感想。読書芸人でおすすめ!殺人鬼となった「鼻男」の数奇な運命と「予想外の結末」。

 匂いを支配する者は、人の心を支配する。
(本文引用)
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 「アメトーーク!」読書芸人で、又吉さんおすすめの一冊。
 全世界で1500万部を売り上げ、英「ガーディアン」紙で「死ぬまでに読むべき1000冊」にノミネートされている。

 読書芸人・世界レベルのベストセラー・死ぬまでに読むべき・・・「そう言われちゃあ」と読んでみたが、確かにこれは「読むべき」と納得。

 人間にひそむ「性癖」とは、かくも恐ろしくおぞましいものか。
 そして人間とは、かくも「いい加減」なものか。

 本書は連続殺人事件を通して、「人間は簡単に狂うこと」を残酷なほど描いているのだ。

 ずばり、本書はこんな人におすすめ。


 「自分は決して間違いをおかさない」
 「常に理性的で、正しい判断をする」

 本書を読めば、そんな自信が底からぐらつく。
  「自分はいつ何時でもおかしくなる」と、自覚せざるを得なくなる。

 だから本書は、人として「読むべき一冊」だ。

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「緒方貞子 難民支援の現場から」。並外れた決断力・行動力の源とは?国連難民高等弁務官としての10年を語る200頁。

★こんな人におすすめ!

●緒方貞子さんとは、どのような人物なのか知りたい人。
●人道支援の生の姿を知りたい人。
●「テロ・内戦を、どうすればなくせるか」を考えたい人。

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 「私は、最終的には、やっぱり人を生き延びさせる選択をとるよりほかにしょうがないんじゃないかと考えました。というのは、生き延びればもう一回チャンスが出てくるかもしれないんですよね、人間って。そこで殺されたら、それまでですから」
(本文引用)
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 「世界を変えた10人の女性」の記事で、緒方貞子さんが「世界に何をもたらしたか、人道支援の何を変えたか」について書いた。
 
 本書はさらに踏み込んだ本。
 何しろ緒方貞子さんの「声」が、そのまま収められている。
 生きた「緒方貞子さん」が、ここにいるのだ。

 NHKのプロデューサーが、緒方さんの真意を引き出すため、入念に準備を重ねて実現したインタビュー。

 「緒方貞子」とは、いったいどんな人物なのか。
 なぜ後にも先にも「彼女ほど有能な国連難民高等弁務官はいない」と言われる、行動ができたのか。

 本書を読めば、緒方氏の「並外れた決断力・行動力の源」がありありと見えてくる。

 「緒方貞子」という人物を知り、「世界」を考えるうえで、まず読むべき一冊だ。

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「ヒッキーヒッキーシェイク」感想。「孤独と不安のレッスン」の後に読んでよかったと思った理由。

評価:★★★★★

 自分を直視しなくては、と芹香は痛感した。ほかの人生は無いのだ。
 ほかの人生は無いのだ!

(本文引用)
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 幻冬舎の一件でずーっと気になっていたが、ついに読んでしまった。
 
 あまりSFっぽいのは得意ではないのだが、ここまで「話題」だと避けるのは不可能。
 面白かろうが、つまらなかろうが、本好きとしては読まざるを得ない。

 ややドキドキしながらページをめくったが・・・。
 「あ、あれ・・・? 意外と読みやすい? というか面白いじゃん、これ!」

 正直、ここまで売れてると「期待倒れ」になることを予想していた。
 よって、これは嬉しい誤算だった。
 
 読んだタイミングも奏功したのかもしれない。
 鴻上尚史著「孤独と不安のレッスン」を読んだ後、というのが良かった。

 
 「ヒッキーヒッキーシェイク」は、いわば「孤独と不安のレッスン」をした者たちの再生物語。
 
 一人でいることを恐れないこと。
 そして一人でいることを恐れない人は、一人でいることを恐れない人とつながれること。

 「ヒッキーヒッキーシェイク」はそんな希望をくれる。

 今、一人で苦しんでいる人には、「孤独と不安のレッスン」と「ヒッキーヒッキーシェイク」を合わせて読むのをおすすめする。

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■「ヒッキーヒッキーシェイク」あらすじ



 竺原丈吉(通称:JJ)は心理カウンセラー。
 ひきこもりの少年少女と、日々面談を重ねている。

 実はJJには、ある目論見があった。

 相談者たちを連携させ、「架空の人物」を創り出すことだった。

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 サイモン&ガーファンクルの「スカボローフェア」よろしく、パセリ・セージ・ローズマリー・タイムと名付けられたヒキコモリたち。

 JJのプロジェクトのもと動いていく彼らに、ある変化が表れて・・・?
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■「ヒッキーヒッキーシェイク」感想



 孤独と不安の先にある希望は、真に明るい。

 そんなことを思わせてくれる、実に爽やかな小説だ。

 登場するヒッキーたちは、家族からも自分を遮断した者たち。
 二階の自室にひきこもり、階段を一段でも上がろうものなら拒否反応を示す者もいる。
 
 親でなくても「この先、どうするの?」とせかしたくなる者ばかりだ。

 だが本書を読んでいると、認識が変わってくる。

 周囲の価値観(たとえば、友達がいないといけない等)で無理やり外界に連れ出すのは無意味。

 「孤独と不安のレッスン」に書かれているように、「孤独と向き合ってる誰か」と出会うのが、まず大事。

 そのうえで、「さて自分の人生をどうするか」という「前向きな不安」を持つことが、人生を豊かにするのである。

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 「ヒッキーヒッキーシェイク」では、「ヒッキー」たちの微妙な心の変化を丁寧に描写。

 「あれ? 友達ができてる?」
 「あれ? 今、自分、家族が大事と思ってる?」

 そんな変化にハタと気づき、自分の人生のペダルをグゥンと漕ぎ出す。
 
 誰からも理解されない「不気味の谷」を越えた人間こそ、本当に強く優しく明るい人間なのだ。

 ん?そう考えるとJJのプロジェクトっていうのはもしかして・・・?

 編集者が、「この本が売れなかったら編集者を辞めます」と宣言した「ヒッキーヒッキーシェイク」。

 どうやらJJの「人間を創る宣言」も成功したようだ。

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三浦瑠麗「孤独の意味も、女であることの味わいも」感想。泣いた。ただ泣いた。そして書いてくれてありがとう。

評価:★★★★★

あなた自身を、出来事や外部に定義させてはいけない。あなたのことはあなた自身が定義すべきなのだから。
(本文引用)
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 衝撃だった。
 1ページめからラストまで、ショックの連続だった。

 しかしそれは「煽情的」という意味ではない。

 筆致はあくまで知的で静謐。
 どぎつい内容で人を引き付けようという「あざとさ」は、全く感じられない。

 ただ三浦氏を襲う出来事は、女性としてあまりに辛いものばかり。

 「神様は彼女に、豊かな才能を与える代わりに、大きなものを奪おうとしたのか?」


 私は思わず、運命の残酷さに天を仰いだ。

 何が起きたかは、私の口からは言えない。
 いくら本として公開されていることとはいえ、他人づてに言うことではない・・・そんな気がするから。
 他人がペラペラしゃべっては、「本書を書いた三浦氏の覚悟」を無駄にしてしまう・・・そんな気がしてならないからだ。
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■「孤独の意味も、女であることの味わいも」内容



 本書は国際政治学者・三浦瑠麗氏の自伝エッセイ。
 人生のあらゆるステージについて、当時の出来事や思いをつづっている。

 孤立していた小学校時代、いじめが深刻化した中学時代、名門・湘南高校での日々、数々の恋愛と別れ、東大入学、夫との出会い、結婚、博士号取得への邁進、そして出産・・。

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 才媛の名をほしいままにする、気鋭の政治学者の半生とは?
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■「孤独の意味も、女であることの味わいも」感想



 「この本を書くのに、どれほど勇気を要したことだろう」
 
 私は本書を読んだ日、そう考えて眠れなかった。
 三浦さんが炬燵のなかで丸まったように、布団のなかで丸まり、私は泣いた。

 そして憎み、憤った。

 一人の女性を、このような状況に追い詰めた全てのことに。
 こんな辛い告白をさせた全てのことに、はらわたが煮えくり返ったのだ。

 本書の核は「女であること」「女として生きるとは何か」ということだ。
 女として「常に人から見られる」ことを意識し、「女とはこういうもの」という型に自分をはめ、時に自分を犠牲にする。
 三浦氏は自分の生まれ育った環境や、学生時代の恋愛、夫との価値観のすり合わせなどを通じ「女である自分は、さてどう生きるべきか」を語っていく。

 それだけ聞くと、稀代の才女によるフェミニズム論に見えるかもしれない。

 だが本書は、そんな甘いものではない。

 この本に書かれる「女性」論は、人間の尊厳を根底から揺るがすもの。

 女というだけで、かような苦難にも耐えねばならないのか? 蔑みに耐えねばならないのか?
 女というだけで、やはり世間から「下」に見られるのか?
 なぜ女というだけで、こんな運命を受け入れねばならないのか?
 誰かを蔑みたくても、男に対しては怖くてできない。
 だから女子どもに刃を向けるのか?

 私は本書を読みながら、頭が痛くなるほど考えた。

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 しかしいくら考えても答えは出ない。
 そして残念ながら、これからも解決することはないだろう。

 ならば私一人だけでも、著者の思いに報いて決断するしかない。

 著者の言葉を借りれば「自分自身を、外から定義させない」と。
 「女だから」というステレオタイプの定義に、自分をはめない。
 自分は自分で定義する、と。

 これからもたぶん女は女として見られ、時に蔑まれるだろう。

 しかし他人を変えること、世間を変えることは、自分の力ではほぼ不可能。
 激しい無力感に襲われるのは明白だ。

 そんなとき、私はきっと本書を思い出す。
 

私は休息所ではない。ここは私の部屋なのだから。


 そう、私の人生の主役は、私以外いない。
 人生の主役に男も女もない・・・その思いを呼び覚まし、前を向くことができるだろう。

 そんな意識改革を起こさせてくれた点で、本書を読み、本当に良かったと思う。
 本当に、本当に良かった。
                                             
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「43回の殺意 ~川崎中1男子生徒殺害事件の深層~」。親は子供を愛していたのになぜ起きた?

評価:★★★★★

 「家庭に居場所を求められず、学校でいじめられ、高校も中退、不良にもなれなかった」
「みんなそこでつながったんだろうね」

(本文引用)
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 本書のサブタイトルで、ひとつ気づかないだろうか。
 「川崎中1男子生徒殺害事件の深層」という文字だ。

 「真相」ではなく「深層」。
 ここに本書が存在する意味がある。
 誰も書かなかった、あまりにも深い真実が、本書にはあるのだ。

 「本屋大賞ノンフィクション部門」の最終候補にエントリーされているので手に取ったが(もともと石井光太さんの本は好きだし)、予想以上に凄みのある本だった。
 
 このような凄惨な事件は、事件のむごたらしさだけが前面に押し出されがちだが、本書はそんな浅はかなものではない。



 なぜ少年たちが、まだ体の小さい13歳の少年を、43回もナイフで切りつけ川で泳がせるような行動に走ってしまったのか。
 なぜ加害者・被害者の親たちは、子どもを愛していたのに、そのような結果を招いてしまったのか。

 若者たちの行動・心理に奥深くまで切り込んだ筆致は、まさに「深層」。
 読めば誰でも、「この事件は他人事ではない」と思えるだろう。
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 事件が起きたのは2015年の2月。
 川崎市の河川敷で、若い男性の遺体が発見され世間は騒然に。

 事件の全容が明らかになるにつれ、騒ぎはますます大きくなった。
 殺されたのは13歳の少年で、しかも3人の加害者はいずれも10代の少年だったからだ。
 
 事件後、遺体が発見された場所には弔う人が殺到。
 花やお菓子、手紙やノートなどが多数置かれ、そのうち、現場を清掃するボランティアも多く現れ、社会現象となる。

 雑誌やメディアは被害者・加害者の家族を貶める内容を書き立て、子育て論にまで発展。
 
 しかし事件の経緯を調べれば調べるほど、事件の根っこはそんな単純なものでないことがわかってくる。

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 なぜこんな凄惨な事件が起きてしまったのか。
 そしてなぜ、遺体発見現場に多くの人が集まったのか。

 本書は、事件前・事件当日・事件後、そして裁判まで細かく追っていく。
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 この本を読んで衝撃を受けたのは、次の3点だ。

 ・加害者・被害者側とも、親が子どもを愛していたこと。
 ・不良少年には、ある「考え方の傾向」があること。
 ・日本の裁判の理不尽さ。

 まず「加害者・被害者側とも、親が子どもを愛していたこと」は、本書を読めばよくわかる。
 
 被害者側の父親の言葉と、母親の奮闘。
 加害者側の家族が、さらに悪い仲間から家族総出で息子を守り、110番通報までしていたこと。

 もしかすると、愛し方の方向が一部、ずれていたこともあったのかもしれない。
 子どもが親の愛を感じていたからこそ、事態が深刻化した面もあっただろう。

 しかし事件当時、報じられていたようなネグレクトや虐待などは、本書からは見受けられない。
 なかには問題のある家族もいたようだが、おおむね皆、必死に子育てをし、子どもたちも親兄弟を思って生きていた。

 それなのになぜ、このような取り返しのつかない事件が起こったのか。

 読めば読むほど、それは「社会全体が病巣となっている」ことがわかってくる。

 彼らが加害者・被害者になったのは、家族だけの問題ではない。
  差別、偏見などを許す社会全体の問題なのではないか。
 そう思えて仕方がないのだ。

 そして2つめの衝撃、「不良少年たちの考え方の傾向」について。
 
 事件後、各種メディアは加害者・被害者と知り合いの少年たちに、インタビューをしようとする。
 しかし取材は困難を極める。
 その理由は、不良少年共通の「ある考え方」にあった。
 
 これには最も驚いた。
 いわゆる「不良少年たち」は、どのような過程で「特有の思考回路」を持つに至ったのか。
 不良少年と、そうでない少年との違いは、どうして生まれるのか。
 
 いつかぜひ、その点に言及した本を読んでみたい。
 
 そして最後の衝撃、「日本の裁判の理不尽さ」について。

 当事件の裁判は、他の裁判と明らかに違う点があった。
 それは被害者の両親同士が、顔を突き合わせないようにしていたことだ。
 
 妻からの希望ということだが、弁護士側がそれを聞き入れたために、なかなか納得のできる裁判を進められずにいたのだ。

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 さらに驚いたことに、被害者側が何も知らされないまま、どんどん裁判が進行。
 しかも加害者の人権ばかり重視されるよう、誘導されていくのである。

 これは被害者の父親の見方なので、若干偏っているかもしれない。

 しかし裁判というものは、「本当の真実」ではなく「裁判の真実」を作っていくのではないか。
 そんな疑念を持たずにいられない。

 だから本書のサブタイトルは、「真相」ではなく「深層」という言葉がふさわしい。

 酷い少年事件が起こる、社会の闇。
 家にも学校にも行かず、かりそめの友と、夜にたまるしかできない少年たちの"考え方"
 そして、歪んだ裁判。
 
 今まで誰も知らされなかった深層、誰も思いもつかなかった深層が、本書にはありありと書かれている。
 思わず、心の中で「読んで良かった」とつぶやいてしまった。

 これからも必ず、少年事件は起こるだろう。
 誰もが目を覆いたくなるような事件が、残念ながら起こるだろう。

 そのたびに私たちは、他人事と考えてはいけない-本書はそう心から思わせてくれる、出色のルポだ。

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「黒い看護婦 ~福岡四人組保険金連続殺人~」は一生安泰に暮らすために読むべき一冊。

評価:★★★★★

「奥さんは、ほんとよかったたい。旦那さんが亡くなったんが仕事中で。それで労災がおりたっちゃろ。あの人の奥さんはこれで実家に帰れたっちゃろうもん。一生働かんでよかっさい。いっそのこと、浩ちゃんもそうなってくれんやろかね」
(本文引用)
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 2016年に横浜の病院で起きた連続不審死事件。
 ついに犯人がつかまった。

 そこで読んでみたのが、「黒い看護婦」。
 こちらも医療技術を使った殺人事件かな?と思い読みはじめたが・・・そんなレベルではなかった。
 
 読みながら何度、胃の奥から食べ物がこみあげたことか。
 「反吐が出る」という表現は、この事件の主犯のためにある言葉だ。

 福岡で起きた、看護師4人組による連続殺人事件。
 本書は犯人たちの生い立ちから犯行、裁判まで細かく追ったものだが、そこにはまさしく鬼がいた。悪魔がいた。モンスターがいた。

 人間の形の容器に入った、悪のヘドロがいた。


  
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■「黒い看護婦」概要



 看護師・吉田純子は、学生時代から「見栄っ張り・虚言壁・お金への執着が異常」という特性を持ち合わせていた。

 看護専門学校時代には「妊娠によるカンパ」をでっちあげ、やむなく転校。
 
 しかし純子は、その後も反省の色を見せることなく、詐欺行為を重ねていく。

 純子の悪行はエスカレートし、転校先の看護学校で3人の生徒に目をつける。

 3人は純子に下僕のように扱われ、ついに夫を手をかけることに・・・。

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■「黒い看護婦」感想



 これはいったい人間なのか?

 純子の行動・思考は、常人ではとうてい理解できない残酷さだ。

 「事実は小説より奇なり」という言葉は、吉田純子のためにある言葉だろう。

 あまりに陰惨さ、むごたらしさに吐き気を催しながら何とか読み切ったが、この本からは「ある1つのこと」が学べる。

 それは「『●●さんがこう言ってたよ』という告げ口をしてくる人間は、絶対に信用してはいけない」ことだ。

 さらに言うと、家族の悪口を吹き込んでくる人間からは、その足ですぐに逃げなければならない。

 吉田純子や、北九州連続殺人の犯人(「消された一家」の首謀者)が必ずやること。

 それは、とにかく「ターゲットの人間関係を壊そうとする」ことだ。

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 彼らは巧みにも「●●さんてこういうところがイヤよね」という悪口は、あまり言わない。
 その代わりに「●●さんが、あなたのことをこう言ってたよ」という告げ口をする。

 「私はあなたの味方よ」という善人のふりをして、ターゲットの人間関係を破壊していくのが常套手段なのだ。

 また、家族の悪口を吹き込んでくるのも大きな特徴。

 ターゲットをからめとる際、最も障害になるのは「ターゲットの家族」だ。
 犯人はとにかく、ターゲットと家族を引き離そうとする。
 そしてターゲットが家族に不信感を持ちはじめたら、「しめた」と舌を出すのだ。

 たとえば「発●小町」などで、こんな相談をよく見かける。
 
 「『Aさんがあなたのことをこう言ってたよ』、とママ友が言っていたのですが、Aさんとの付き合いをやめたほうがいいのでしょうか」
 「近所の人から、『あなたの旦那さんが女性と歩いているのを見た』と聞かされたのですが、夫を問い詰めたほうがよいのでしょうか」

 幸いなことに、ほとんどのレスは「告げ口をしてきた人から、離れなさい」というもの。

 これは本当にその通り。
 他人の人間関係にヒビを入れようとする人間からは、全力で逃げないといけないのだ。
 
 本書の吉田純子になる人間は、めったにいないだろう。
 しかし吉田純子の下僕にされる人間は、いてもおかしくない。

 まず私たちにできることは、サイコパスの下僕にされないよう気を付けることだ。

 「黒い看護婦」は、その方法を教えてくれる。
 一生安泰に暮らしていくためには、吐き気を我慢してでも読むべき一冊だ。
 
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野口悠紀雄「入門 ビットコインとブロックチェーン」感想。仮想通貨って何?という人におすすめ。

評価:★★★★★

「盗んだらビットコインが破綻する」と思ったら、誰もそんなものは盗みません。ビットコインの価値を認めているからこそ、盗んだのです。
(本文引用)
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 先日、仮想通貨取引所コインチェックで、仮想通貨「NEM」が不正流出。
 利用者は約26万人、被害総額は約580億円。
 「戦後最大規模の消費者事件」とも言われています。

 詐欺事件の場合は、被害額が2000億円にものぼるケースがあります(豊田商事事件等)。

 でも「お金を集めた主体者が詐欺ではない事件」では、被害総額数百億というのは極めて異例。

 ここまでくると、今後、集団訴訟に発展する可能性は濃厚。

 不正流出した仮想通貨はもちろん、「仮想通貨の値下がりに伴う損害」と、「取引が停止したこと自体を損害」とする賠償請求も追加される見通しです。


 
 確かに仮想通貨は財テクなので、「取引停止で、価値下落前の売り抜けができない」というのも「被害」のひとつですよね。

 銀行の預金なら、元本が返ってくればまだ納得できるかもしれません。
 でも仮想通貨の場合、預けた仮想通貨がそのまま返ってくればよい・・・というわけにはいかないようです。

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 それにしても仮想通貨って、いつの間にかこんなに浸透していたんですね。

 16日から確定申告の受付が始まりましたが、「仮想通貨取引への課税に注意」とのこと。
 仮想通貨取引で儲けがあった場合、学生さんや専業主婦でも「申告漏れ」を指摘される場合もあるとか。
 税務署がそう呼びかけるほど、日本にもジワジワと仮想通貨がしみわたっているようです。

 そこで読んでみたのが、「入門 ビットコインとブロックチェーン」。
 著者の野口悠紀雄さんといえば、「わかりやすく伝える力」の草分け的存在ともいえる方なので、「これならドドドドド素人の私でも読めるかな?」と思い購入しました。

 読んでみて思ったのが、やはり野口悠紀雄さんは「伝え方の天才」だということ。

 「ビットコインと電子マネーの違い」を小学校高学年でもわかる言葉で簡潔明瞭に説明。

 その他、「ビットコインのメリット」「ブロックチェーンとは何か」「IoTとは何か」など、仮想通貨にまつわるあれこれを、定義からじっくり平易な言葉で解説します。

 また本書の魅力は、専門用語をわかりやすく伝えることだけではありません。

 「他国に比べ、日本で仮想通貨が普及しない理由は何か」、逆に「仮想通貨が普及することで、どんな問題が起きるか」など仮想通貨の表と裏を多角的に解説。
 そして、コインチェック事件にも関わることですが、なぜ仮想通貨のデータをねらう人物がいるのかについても興味深い見解を示しています。

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 時々難しい箇所もありますが、基本的には小学校高学年~中学生にもわかるぐらい簡単に解説。
 ブロックチェーンの比喩なども絶妙で、改めて野口悠紀雄さんの「伝える力」に胸が震えました。

 読む「世界一受けたい授業」という感じですね、これは。

 「入門 ビットコインとブロックチェーン」を読むと、銀行のATMひとつとっても見方が変わってきますよ。
 
 「互いの信用」…ただそれだけでつながっている「お金」というものが、これからどんな形で使われていくのか。
 どんな姿で生活に浸透していくのか。
 
 コインチェック事件の根の深さを知るとともに、今後の「お金の未来」に思いを馳せることができる一冊です。
 
 一家に一冊、必携かも!

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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