就活生必読!採用されるエントリーシートの書き方、教えます。「マジ文章書けないんだけど」前田安正


評価:★★★★★

小手先でESを書いても、役に立たないってこともわかった。しっかりした文章力を身につけていると、自己表現もうまくなるみたい。面接もスムーズにいったしね。
(本文引用)
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 就活生のエントリーシートに、次のような文章が書かれているとします。
 あなたが人事部の採用担当だとしたら、どちらの人を採用したいと思いますか?

1.大学時代は応援部で吹奏楽のために良好な人間関係の構築と部の運営に尽力しました。

2.大学時代は応援部の吹奏楽に所属していました。そこで良好な人間関係の構築と部の運営に尽力しました。

 さらにもう一人、同じ応援部の吹奏楽メンバーから、こんなエントリーシートが届きました。




3.大学時代は応援部の吹奏楽に所属していました。
吹奏楽のクオリティーを高めるために、仲間とのコミュニケーションを第一に考えました。
応援部や野球部など他部との日程調整が必要です。
また、対戦相手となる他大学との応援の打ち合わせなども頻繁にあります。
私はこうした部の運営にも力を注ぎました。


(※1~3の文章は、本書掲載の例文を一部改変して引用しています。)

 この3人の中で誰を採用したいか、もう答えは出ていますよね。

 究極の文章術読本として、今、就活生の間で話題の「マジ文章書けないんだけど」

 この本にそって文章を組み立てるだけで、採用担当者が「オッ」と言いたくなるエントリーシートを書くことができますよ。

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 そして本書の文章術を身につければ、面接も上手くいきます。
 スッキリとした魅力的な文章を書けるようになれば、同じくスッキリとした魅力的な自己表現もできるようになります。

 「マジ文章書けないんだけど」の文章術を会得したら、内定をもらいすぎて「マジ企業選べないんだけど」なーんて悩むようになるかも!?
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 本書の主人公は、浅嶋すず。
 商社に勤めて3年目で、今度、学生向けに就活の手ほどきをすることになりました。

 そこですずは自分の就活を思い起こし、あることに気づきます。

 自分が就活を成功させた理由は、文章術にあるのではないか、と。

 実はすずは就活中、ある「謎のおじさん」から「相手に伝わる文章の書き方」を徹底的に教わっていました。

 すずは本書を通じて、そのメソッドを伝授。

 さて、「謎のおじさん」が教えてくれた「就活を成功させる文章の書き方」とは?
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この「マジ文章書けないんだけど」は、ライトなタイトルとは裏腹に、学術界の専門家から激賞されています。

「言いたいことがあるのに、書くと何か伝わらない。ならばこの本を開きましょう。読みやすく、きちんとした文章がきっと身につきます」

(早稲田大学教授・笹原宏之氏)

「『過去の話でも現在形を交えるとライブ感が出る』など、実践的なノウハウが満載!文章力を磨きたいすべての方におすすめです」

(三省堂 辞書編集者 奥川健太郎氏)

 他、ハーバード大学客員教授など錚々たる方々が本書を絶賛しています。

 その理由はおそらく、こんな点にあるのではないでしょうか。

 「聞いたら馬鹿にされるのではないかと思い、今まで聞けずにいた文章表現が余すところなく述べられている」

 誰もが気にかかりつつも、つい見て見ぬふりをしてしまう超基礎的なことが、本書では実に詳しく解説されているんです。

 たとえば、「が」と「は」の使い方
 文章を書いている時や話している時、しばしば「が」と「は」の使い分けに悩みますよね。

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 本書の例にのっとって言うと、

「窪田正孝さんは演技がうまい」
とは言いますが、
「窪田正孝さんは演技はうまい」
とは言いません。(あくまで私の場合ですが)

 でも、この「が」と「は」の違いは何となく説明できそうですよね。

 では、これならどうでしょうか。
「鈴木亮平さんが、大河ドラマの主役に選ばれた」
「鈴木亮平さんは、大河ドラマの主役に選ばれた」


 こうなると、「が」と「は」の違いがちょっとわかりにくくなりますよね。

 わかるようなわからないような、そんなもどかしい思いがします。

 さらにこの会話だと、どうでしょう?

Aさん:「イタリア旅行はどうだった?」
Bさん:「フィレンツェがすごく良かったよ」


 ここでも「は」と「が」が使い分けられていますよね。

 一体私たちはどのようにして、「は」と「が」を使い分けているのでしょう。
 そして文章に書く時は、どのようにして使い分ければよいのでしょうか。

 そんな悩みが頭をもたげたら、すぐにこの本を開いてみてください。

 「既知情報」と「未知情報」をキーワードにした解説は、もう目からウロコの名講義!

 これで、「は」と「が」に迷うことが一気になくなりそうです。

 えっ? そんな細かいことから気にしていたら永遠にESが書けないんじゃないかって?

 いえいえ、こういう細かいことにまで神経を行き届かせるのが就活成功の秘訣

 全体的にはサラッと読める構成になっているので、講義1つひとつを決して疎かにせずに、じっくり読み込んでいただきたいと思います。

 そうすると、本書を読む前のESと読んだ後のESとがガラリと変わりますよ。
 「この人と一緒に仕事がしたいな」
 きっと、そう思わせるエントリーシートになります。


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 まずエントリーシートありきの就職活動。
 「面接まで行けば、自分の良さをわかってもらえるのに・・・」とどんなに息巻いても、ESの文章がわかりにくいものだと、そこまで到達できません。

 「マジ文章書けないんだけど」で文章力を磨き、ぜひ「素敵なあなた」を、最終面接まで熱くスマートにアピールしてきてくださいね。

 応援しています!


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部屋が片付けられない人は必読!「仕掛学 人を動かすアイデアのつくり方」を読めば、部屋がいつの間にか片づいちゃう!?

評価:★★★★★

ギターケースの中がお札ばかりだとお札を入れる人が多くなり、コインばかりだとコインを入れる人が多くなる。
(本文引用)
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 あなたが愛用しているその商品。

 機能や性能が良いから愛用していると、本当に言えますか?
 よく考えたら、機能や性能は他の商品と変わらないのに「仕掛け」が優れているのかもしれませんよ。

 たとえば私の場合、アイシャドウはチョコレートの香りがするものを愛用しています。
 そして全巻そろえている漫画は、本棚に並べると背表紙の絵が続いている作品です。

 なぜそれらを愛用し、愛読しているかというと、メイクの間にチョコレートの香りがすると幸せな気持ちになるから。
 背表紙の絵が続いていると、本棚に並べるのが楽しいから。

 つまり、「仕掛け」に魅力を感じているからなんです。

 なかでも気に入っている商品は、器に指を突っ込んでクルクル回すだけでマニキュアが取れる除光液。

 マニキュアの落ち云々以上に、「穴の中に指を突っ込んでクルクル回す」「指をスッポンと出したらマニキュアが取れてる」という感覚が何とも心地よく、リピートして使っています。

 どれもこれも、商品の本来の性質以外の部分で心地よさを提供してくれます。
 いわば「仕掛け」で、人を吸引しているのです。





 この「仕掛学」は、まさにそんな商品や仕組みを集めた本。
 読めば必ず「あ~、確かにあれって、こうしたくなるよね!」と、身の回りにあるあらゆる仕掛けに気づきます。

 そしてこの仕掛学を読めば、部屋が片づきます。
 だって、本能的に片づけたくなる仕掛けが紹介されているのですから。片づかないわけがないんです。

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ヒントはバスケットゴールの中に・・・!?


 あれ、もしかするとこの本自体「読みたくなる」仕掛けが満載なのかな?
 あちゃ~、見事に引っかかっちゃいました。でもこうして「引っかかる」ことが快感なのも、優れた仕掛けの秘訣なんですよね。
 
 ビバ!「仕掛学」!
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 本書では、身近なあらゆる仕掛けを次々と紹介していきます。

 たとえばわかりやすいところでは「トイレの的」
 私は一応女性なので、男性トイレに入ったこともなければ小便器の惨状というものも知りません。

 でもきっと、「飛び散り」というのは結構深刻な問題なんでしょうね。

 本書では、「つい狙いたくなる」的をいくつか紹介しています。

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 なかでも感動したのが、温度によって色が変わるシール。
 そんなシールをつけられたら、そりゃ、狙いますよね。そんな仕掛けの話を聞いてしまったら、男装して男子トイレに潜入したくなってしまいます(もちろん、そんなことは絶対にしませんけど・・・)。

 そんな様々な「仕掛け」を通じて、著者は「仕掛け」を定義する3つの要件を挙げます。

 それは「公平性」「誘引性」「目的の二重性」

 「誰も不利益を被らない」という「公平性」、「行動が誘われる」という「誘引性」・・・それらはまだわかるのですが、「目的の二重性」って、今ひとつわかにくいですよね。

 この「目的の二重性」というのは、著者曰く「仕掛ける側の目的(解決したい問題)と仕掛けられる側の目的(行動したくなる理由)が異なること」としており、それがないと「仕掛の定義から外れる」とのことです。

 「仕掛ける側と仕掛けられる側で目的が異なるって、それでは仕掛けにならないのでは?」と疑問に思ったのですが、その直後の解説を読み納得。

 結構これは、家で実際に行なっている方も多いのではないでしょうか。

 朝、タイマーでご飯を炊いたりホームベーカリーをセットしたりしている方は、一度自分の行動をよーく振り返ってみてください。

 そこには驚くべき「仕掛けの構造と心理」が隠されているはずですよ。

 そして読むうちに、私自身もまた「仕掛け」をしていることに気づかされました。

 私は家の前にゴミが落ちていたら、どんなに小さな物でも必ず拾うようにしているのですが、それも「仕掛け」なんですね。

 「仕掛け」なんて聞くと、つい有能なCMプランナーや技術開発者を想像してしまいますが、実は誰もが何かの「仕掛け人」なんです。

 「仕掛けられる側」でいるのも楽しいですが、「仕掛ける側」でいるのはもっと楽しい!

 「仕掛学」を読めば、自分も立派な仕掛人であることに気づき、何だか自身がわいてきますよ。

 世の中のありとあらゆる「何とかしたい」を叶える「仕掛学」。
 人をやんわりと、でも確実にマインドコントロールしていく「仕掛学」。

 本書を読んで、身近な問題を次々と解決する魔法使いになっちゃいましょう。

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面白い連作短編集を読みたい方におすすめ!黒野伸一著「あさ美さんの家さがし」感想

評価:★★★★★

「人間独りで暮らしてりゃ、誰でも寂しいさ。だからみんな寄る辺を探すんだ」
(本文引用)
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 連作短編集ってワクワクしますよね。
 前の話に出てきた人が、後の物語で意外な形で登場したり、ある登場人物の意外な素顔が、後になって明かされたり・・・。

 面白い連作短編集をお探しの方って、多いのではないでしょうか。

 そんな方におすすめなのが、「あさ美さんの家さがし」
 著者はあの限界集落株式会社 (小学館文庫)の黒野伸一さんなので、面白さはお墨付きです。
 
 タワーマンションの上層階、セレブが集う街、ゴミ屋敷の隣、保育園建設等々、現代が抱える「住まい」の問題が、本書には大集結。



 あっちの住まいで悩んでいた人が、今度はこっちの住まいで頭を抱える。

 「あさ美さんの家さがし」は連作短編集の醍醐味を味わいながら、家さがし、幸せさがしまでできるお得な一冊です。
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 主人公のあさ美は32歳。堅実な銀行員からキャバクラ嬢に転身し、巧みな話術で店のナンバーワンとなります。

 ちなみにあさ美の実父は2年前から女装をはじめ、家では完全に女性言葉。

 母親は、そんな二人にはさまれているせいか、いつも不機嫌です。
 
 そんな状況から抜け出したいと思い、あさ美はひとり暮らしを決意。
 物件探しを始めますが、そこで銀行を辞めるきっかけとなった部下の姿を見つけて・・・?
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 本書は連作短編集なので、様々な人があちこちで意外な形でヒョッコリ登場します。
 
 家をゴミ屋敷状態にしているお婆さん、かつてはモテモテ少年だったのに、今はホームレスになってしまっている同級生、キャバクラでいっこうに客あしらいが上手くならない女性・・・。

 皆、物語をまたがって「過去」や「人となり」がわかるような仕掛けになっています。

 読みながら「あ~、この二人はここで出会っていたのかあ!」「この人は、意外と強い面があるのかもしれない」などと、色々推測することができ、宝探しのようで実に楽しいです。

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 なかでもシビれるのが、主体と客体が逆になっている「マイホーム マイファミリー」「終の棲家」

 サラリーマンの小林邦彦は、家族4人でハイソな街に引っ越してきます。
 そこに住み始めたのは妻の熱望によるものなのですが、住み始めてから、徐々に妻の様子がおかしくなっていきます。
 周囲の目ばかりを気にして、子どもの意思を全く尊重しなくなってしまうのです。

 そんなある日、娘の朱里が、兄の陸と共に姿を消して・・・?

 この「マイホーム マイファミリー」は一見、ありがちな内容に思えるのですが、後の「対の棲家」と合わせ鏡で読むと、実に味わい深いものとなります。

 子育て真っ最中の人、子育てを終えた人、そしてその両者に育てられている子ども。

 一つの事件を、こうして複数の視点で読むことができるのは連作短編集ならではですね。

 主人公のあさ美さんの家さがし、幸せさがしも目が離せません。

 聡明なあさ美さんだけに、読者としてもつい応援しながら読んでしまうのですが、世の中、応援したくなる人ほどあちこち難関にぶつかってしまうものですね。

 それだけにラストは、涙がこみあげました。
 最後に残ったスープ一滴が極上の味だった・・・そう言いたくなるような素敵なラストには、思わず拍手です。

 連作短編集がお好きな方や、心がうんと温まる話を心ゆくまで堪能したい方。

 「あさ美さんの家さがし」は、そんな読書好きな方の「幸せさがし」をお手伝いしてくれますよ。

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中学生・高校生に全力でおすすめ! 森絵都「永遠の出口」

評価:★★★★★

あんなにも懸命に自分のことを考えたのは、あとにも先にもあれっきりかもしれまい。
 考えて、考えて、考えて、ある日、ふいに思った。
 こうしてはいられない。

(本文引用)
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 森絵都さんがいれば、ドラえもんはいらないかも。
 なぜなら森絵都さんは、タイムマシーンのような作家だから。

 作品を読んでいると、小学生・中学生・高校生の頃の自分にヒューッと体ごと戻されます。

 大学生の頃の感覚は、まだ体のあちこちに残っているような気がしますが、高校以前となるとほぼ忘却の彼方へ。

 でも森絵都さんがいる限り、ページを開けばいつでも、その頃の感覚を思い出すことができます。

 だから世の中に森絵都さんの小説があるかぎり、いつでも昔に戻れるのです。

 この「永遠の出口」は、そんな小説の代表格。

 1人の女の子の姿を、小3から高3まで描きつづけた連作短編集です。
 いわば小説版「6才のボクが、大人になるまで」といったところでしょうか。

 大人になって振り返ると、何もかもが腹立たしいほど愚かで浅はかだった少女時代。

 でもあの愚かしさは、大人になるためには欠かせないものだったんだなぁ――胸がチクリとなりながらも、心からそう思える傑作です。





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 小学3年生の岸本紀子は、「永遠」という言葉に脅されつづけています。

 姉の景子が何かにつけて、「紀ちゃん、かわいそう。あの●●を永遠に見ることができないんだね」などと言ってくるからです。

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 そんな「永遠」に対する怯えや憧れに疲れ、紀子は「永遠の出口」を1つひとつ探り当て、大人への入り口を見つけていきます。

 その相手は、同じクラスの女の子だったり、「黒魔女」と呼ばれる恐ろしい担任だったり、誤解から付き合い始めた男の子だったり・・・。

 色々なことにぶつかりながら、一歩一歩大人に近づいていく紀子がつかんだものとは?
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 この「永遠の出口」は九章から成っており、章が進むごとに小3、小5、中学生になる春休み、中学、高校・・・と紀子が成長していきます。

 そう聞くと、学校生活ばかり描かれているように思えるかもしれませんが、そこはやってくれます、森絵都さん!描かれるのは学校だけではありません。

 不良少年のたまり場、アルバイト先のレストラン、家族旅行・・・様々な場所で、紀子はいろんなことを考え、いろんなことに悩んで、ぐんぐんと成長していきます。

 学校以外の場でも、子どもの心というのはここまで育てられていくものなんですね。

 ・・・と言いつつ、いちばん印象に残っている章は学校でのお話。
 第二章「黒い魔法とコッペパン」です。

 5年生になった紀子のクラスには、あるベテラン女性教師が着任します。
 彼女は「私が担任になると、必ず成績が上がる」と豪語し、一見頼もしい教師に見えたのですが、その内実はひどいもの。

 まずえこひいきがひどく、成績の良い子だけを集めて寵愛。
 そしてしょっちゅう難病や奇病の話を子どもたちに聞かせ、「成績が悪いと、この病気になって死ぬ」などと話します。

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 子どもたちは彼女を「黒魔女」と呼び、クラスの雰囲気はどんどん悪化。
 子どもたちの不満は爆発寸前になりますが、ある日決定的な出来事が起こります。

 それをきっかけに、紀子と、幼なじみの男子・鳥井真雪が集会を開催。

 鳥井は集まったクラスメイトに、まずはこう提案します。 

「退治するのは無理だと思う。でも、みんなのかかってる魔法を解くことはできるかも」

 黒魔女を退治することはできないけど、みんなのかかっている魔法を解けば、この問題は解決するかもしれない。

 そんな鳥井の提案を受け入れた子どもたちは、さっそく行動開始。
 すると紀子のクラスは、黒魔女がいるにも関わらず、素晴らしいクラスに変貌していったのです。

 さて、そんな鳥井の秘策とは?

 この物語は「黒魔女」のキャラクターが強烈なだけに、かなりインパクトのある内容になっています。でも実際、こういう先生って意外と多いのではないでしょうか。
 私の友人のお子さんも、まさにこういう「黒魔女」先生が担任になり、不登校になった児童がいたそうです。
 私が小学生の時にも、ここまで極端じゃないけど、似たような先生がいたような記憶が・・・。

 そして大人になってからも、この「黒魔女」のような人に出会うことって多いような気がします。
 もちろん、黒魔女が男性であることも。

 もし現在、誰かに心理的に追い詰められているような気がしたら、ぜひこの章を読んでみてください。

 鳥井君の秘策は、大人にも効きますよ!

 そう考えると、人はいつまでも「永遠の出口」を見つけることなどできないのかもしれませんね。

 紀子はあちこちにぶつかって傷だらけになりながら大人になってきますが、大人になってもあまり変わらないのかも。

 子どもの頃よりはちょっとだけ器用になっただけで、誰もが死ぬまで、紀子のようにもがきつづけるのかもしれません。

 だからこそ、この「永遠の出口」は面白いです。

 自分は今までいろんなことにぶつかって大人になってきたなあ。
 そして今でも、何だかんだと色んなことにぶつかっては歩いているなあ。
 いつまで歩き続けるかはわからないけど、こうして歩くのも悪くないかも。

 人生に対し、そんな希望が見えてきます。
 いやー、これは良い本に出合うことができたものです!

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 人生、ツルリと傷ひとつなく歩める人なんていないんだよ。
 森絵都さんの「永遠の出口」は、中高生の方に、こう語り掛けながらポンッと手渡したくなる一冊です。

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あの連続不審死事件がモデル!柚木麻子「BUTTER」。毒婦に女もからめとられる!?

評価:★★★★★

  「ひょっとしたら梶井の罪って、誰のことも命のある人間に思えなかったってところにあるんじゃないでしょうか?」
(本文引用)
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 先日、あの木嶋佳苗被告の死刑が確定しました。
 木嶋佳苗被告は(今さら説明するまでもありませんが)、結婚仲介サイトで知り合った男性3人を殺したとされています。
 
 この事件が大きな注目を集めたのは、その事件の重大さもさることながら、木嶋佳苗被告の「キャラ」にあります。

 いったい、木嶋佳苗被告とはどのような女性なのでしょうか。

 それは実際に彼女を知る人にしかわからないことですし、無理矢理知ろうとするのも失礼な話でしょう。

 でもこの小説を読むと、これだけはわかる気がします。



 木嶋佳苗被告のような女性は、どのようにして男性をからめとっていくのか。
 そして木嶋佳苗被告のような女性は、どのようにして「女性をも」からめとっていくのか。


 柚木麻子の「BUTTER」を読めば、あなたも毒婦にからめとられるかもしれませんよ。
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 主人公の町田里佳は、週刊誌の記者。優秀な記者として、社内で一目おかれている存在です。

 そんな里佳が今、追っているのが首都圏連続不審死事件。
 1人の女性が、婚活サイトで知り合った男性たちから次々と金銭を奪い、殺害したとされる事件です。

 その事件の被告の名は、梶井真奈子。通称カジマナ。

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 カジマナに尋常ではない興味をもった里佳は、様々な策をめぐらせ、ようやくカジマナと面会。

 しかし記者として梶井真奈子と会ううちに、里佳のなかに面妖な変化が起きてきて・・・?
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 ネタバレスレスレで、この小説を一言でいうと「ミイラ取りがミイラになる」といったところです。

 もしかするとあの事件も、そうなりかけた人や、そうなってしまった人がいるかもしれません。

 世の中、傍から見ると「何で騙されたの!?」と首を傾げたくなる事件って多いですよね。

 でも、なかにはいるんですね、「騙されたと気づかないように騙すことができる」人間が。
 サイコパスと言われようと何と言われようと、そのような特異な才能をもった人間が。

 「BUTTER」を読むと、その経緯がよーくわかります。
 ああ、人はこうしてまんまと「騙されていると気づかずに底なし沼にはまっていくんだな」と。

 ちなみにタイトルの「BUTTER」というのは、食材のバターそのもの。

 マーガリンではなくバター、しかも高級なバターを惜しみなく使うことで、おいし~い料理を味わう場面が、本書にはいくつも登場。
 料理で男性をせいいっぱいもてなしてきたカジマナ。
 そんな料理通・食通のカジマナを表すものとして、バターは影の主役として暗躍します。

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 そして「BUTTER」は同時に、梶井真奈子のことをも表しています。

 カジマナに関わった人は、「ちびくろサンボ」の虎のように互いを追い掛け回してバターにさせられ、
 カジマナに関わった人は皆、ねばつくような、でもどこか心とろかす彼女のもとから離れられなくなります。


 バターの香りが高い料理は、一度食べてしまうと、なかなかバターなしには戻れませんよね。
 それどころか「もっともっと」とバターをナイフでさっくり切り取り、フライパンに乗せ、ケーキの材料に混ぜ、パンに乗せ、パスタにからめ・・・とエスカレートしていきます。

 カジマナには、そんな「もっとあなたを知りたい」と思わせる何かがあります。
 「もっとバターを! もっともっとバターを!」の法則は、カジマナ本人に当てはまるのです。

 なかでも強烈なのは、塩バターラーメンのエピソード。
 梶井真奈子は、拘置所に面会に来た里佳にこんな依頼をします。

 とあるラーメン屋さんの塩バターラーメンを食べて、どんな味だったか報告してほしい、と。

 さらにカジマナは、仰天するような条件をつけます。

「はっきりいって、普通に食べたんじゃ、たいして美味しくもないのよ。ここのラーメンを飛躍的に美味しく食べるには、ある状況が必要なの」

 その「ある状況」を語るとネタバレになってしまうので、ここでは書きませんが、この「条件」はある意味かなり「厳しい」もの(人によっては簡単かもしれませんが・・・)。

 しかし驚くことに、里佳はその条件をそのままなぞるように決行するのです。

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 ここに至るまでの里佳の心理状態は、毒婦事件が起こるまでの5合目までをそろそろ歩いているような状況です。

 でも、この塩バターラーメンのくだりで、里佳は一気に8合目、9合目へ。

 頂上に向かうも地獄、転落するも地獄、ならばどうやって安全に下りる?

 そこからの里佳の判断や、親友らの行動からは一瞬たりとも目が離せません。
 私なんて本の中に手を突っ込んで、里佳を引っ張り出したいと思ったほど!

 梶井真奈子・・・実に恐ろしく手ごわい人物です。

 木嶋佳苗被告の首都圏連続不審死事件をはじめ、次々と人が騙され殺される事件は、いつの時代にも起こります。

 もしも被害者に対し「何で騙されちゃったの?」「自分なら大丈夫」と思っているのなら、ぜひ柚木麻子著「BUTTER」を読んでみてください。

 隠し味のバターに魅入られるように、騙されたことに気づかず騙され、とりこまれ、からめとられていく。

 この小説を読むと、そんな心理状態が、バターがパンに染み込むようにわかりますよ。

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読むだけで本当に字がきれいになった! 読むだけで「うまい」と言われる字が書ける本 ~美文字にはロジックが必要だった!~ 根本知


評価:★★★★★

  つまり、「美しい文字は武器になる」と言えるのです。
(本文引用)
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 まず、こちらの写真をご覧いただきたい。

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 おわかりいただけるだろうか。
  「銀」「青」「三」、それぞれどちらかの文字が、この本を見ないで書いたもの。
  そしてもう一方の文字が、この本を「読んだだけ」で書いたものである。

 小学生の子どもに「どちらが上手だと思う?」と聞いたところ、全て「この本を読んだだけで書いた」文字の方を指した。
 つまり本当に、この本は「読むだけで『うまい』と言われる字が書ける本」なのである。

 ・・・というわけで、見事実験は成功!
 先日、「ツバキ文具店」を読み、どうしてもきれいな字を書けるようになりたくて、さっそくこの本を買ってしまいました。




 だって「読むだけで」字が「うまい」と言われるようになるんですよ!?
 
 「きれいな字を書けるようになりたいけれど、ペン習字を習っている時間はない」

 そんな方にとっては、願ったり叶ったりの究極メソッドではないでしょうか。


 そして私が試してみた結果、本当に「読むだけで」整った字を書けるようになりました

 なかには「読むだけで字がうまくなるわけがない」とお思いの方もいらっしゃることでしょう。
 確かに、読むだけですべての文字をササーッと流麗に書けるようにはならないかもしれません。
 でもたぶん、この本を読まなかったら字は一生うまくならないのではないか。そんな気がします。

 「まさか読むだけで・・・?」なんてお疑いであれば、とりあえず立ち読みでもいいから読んでみてください。
 知っていると知らないのとでは大違いのメソッドが、たくさん載っていますよ。
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 本書のコンセプトは「お手本なしでも美しい文字を書く」こと。

 そのため、本書では美しい文字を書く方法をロジックで説明していきます。

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 たとえば横線は右肩上がりに書き、線と線の間の大きさを統一させる、強調する線は一つにする等々。

 「美しい文字を書く」というよりも、「こう書けば文字は美しく見える」「ここを押さえて文字を書けば、人はその文字を美しいと認識する」・・・本書では、そのコツやポイントを伝授していきます。

 なかでも私が感動したのは、「ひらがなのむすび」の書き方です。

 ひらがなのむすびとは、「よ」「ま」「な」「み」などにある丸く囲まれた部分です。

 確かにこういう字ってバランスが難しいですよね。
 でも、「よ」や「ま」のグルンと結ぶ部分を、根本先生が指示するように書くと、

「か、かっこいい・・・」


 自分でも惚れ惚れするようなひらがなを、書くことができます。

 根本先生が指導する文字は、とにかく品格が感じられます。
 はっきりとした楷書で、誰でも簡単に読める文字なのですが、どこか玄人っぽい。

 書道家のような草書も流れるように書けるんだけど、ここはグッとこらえて、相手に目線を合わせて、あえて楷書で書いている。
 そんな「一流感」のある文字です。

 終盤では、葉書のあて名や暑中見舞い、履歴書の美しい書き方まで伝授。

 この本一冊で「ツバキ文具店」をすぐにでも経営できそうです。

 ちなみに本書では、ペンの選び方まで詳しく解説してくれます。
 これは、ありそうで今までなかったアドバイスですよね。
 いたれりつくせりの内容で、助かります。

 「読むだけで「うまい」と言われる字が書ける本」

 本書の教えを頭に隅に入れておけば、ササッとあわてて字を書いても、「きれい」と言われる字が書けますよ。

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とびきり心温まる小説「ツバキ文具店」感想。これを読めば、お悔やみ・絶縁・天国からの手紙まで書けます。

評価:★★★★★

  「私は、確かに代書屋です。頼まれれば、なんだって書く仕事をしてますよ。でも、それは困っている人を助けるためです。その人が、幸せになってほしいからです。でもあなたは、ただ甘えているだけじゃないですか」
(本文引用)
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 現在、多部未華子さん主演でドラマ放送中の「ツバキ文具店」。
 本屋大賞にもノミネートされ、今、「心温まる小説」No.1とも言われています。

 そして実際に読んでみると、これが心が温まるなんてもんじゃない!

 「ツバキ文具店」を読むと心が温まるだけでなく、人生がとてつもなくキラキラと輝いて見えてきます。
 いえ、人生だけでなく、自分が死んだ後の世界まで生き生きと見えてくるんだから、すごい。
 「ツバキ文具店」を読み、改めて、後々まで文字として残る「小説」というものの力を感じました。



 「ツバキ文具店」のドラマをご覧の方は、ぜひ小説もお手に取ってみてください。
 文章でしか味わえない、文字でしか伝わらないものが、この本には間違いなくあります。

 では、「ツバキ文具店」のあらすじと感想を書いていきますね。
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 ツバキ文具店は、鎌倉に店を構える文房具店。
 現在、雨宮鳩子という若い女性が切り盛りしています。

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 ツバキ文具店の特徴は文房具を売るだけでなく、代書も引き受けていること。
 これは江戸時代、雨宮家がお城の右筆を勤めていたため、代々引き継がれている仕事です。

 そのため鳩子は幼少期から、祖母に文字の書き方を叩きこまれます。
 そんな生活に嫌気がさし、鳩子は一時期非行に走りますが、今ではすっかり落ち着き、立派な代書を務めることに。

 先代から教え込まれた「美しい文字」と「手紙の作法」を駆使して、様々な手紙の代筆をします。

 持ち込まれる依頼も実にさまざま。
 恋文やお見舞い状はもちろんのこと、絶縁状やペットの死亡報告、お金の無心を断る手紙まで、鳩子はたくみに書きあげます。

 そんな手紙の達人・鳩子が、最後に手にした手紙とは・・・?
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 まず「ツバキ文具店」を読むと、無性に手紙が書きたくなります。

 メールではなく、あくまで「手紙」です。

 たとえかな釘流でもいいから、自分の手で文字を綴って、大切な人に手紙を書きたくてたまらなくなります。
 手紙が、こんなに素敵なコミュニケーションツールだとは!

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 実はこの本には、実際に鳩子が書いた手書きの手紙が掲載されています。
 それも通り一遍ではなく、依頼主や手紙の内容に合わせて、文字や文体が巧みに変えられた見事なもの!
 この手紙の数々が、本当に読んでいて楽しいですし、癒されます。

 「お悔やみの手紙をこんな風に書けば、悲しみが少しでもやわらぎそう」
 「今度入院する友だちに、こんなカードを添えたら素敵だな・・・」

 鳩子の臨機応変ぶりと情の深さから編み出される手紙は、実生活でも役に立ちそうなものばかり。

 便箋や封筒、切手の選び方まで細かく描かれているのもポイント。
 読んでいるだけで、オシャレな文房具店か雑貨屋さんにショッピングに来ている気分になれます。

 なかでも夢中になって読んでしまったのが、離婚報告の手紙を書くエピソード。

 ある男性は、15年間連れ添った妻と離婚をすることになります。
 そこでこのたび、結婚式に来てくれた方々に、その報告の手紙を出すことに。
 その手紙の代書を鳩子に依頼します。

 男性の妻は、すでに家を出て、新しい伴侶とともに新生活を始めたとのこと。
 離婚の原因は明らかに妻の不貞にありますが、男性は決して妻を悪く言うことなく、静謐な態度で鳩子に代書を頼みます。

 鳩子はその希望をまっすぐに受け止め、文面はもちろん便箋、封筒、そして封をするシーリングワックスまで細かく細かく配慮し、離婚報告の手紙を書き投函するのです。



 「ツバキ文具店」には、多種多様な温かい手紙が登場しますが、私はこの「離婚報告」の手紙がいちばん好きです(私が離婚をしたいからではありませんよ、念のため)。

 相手をいくら責めてもおかしくない事情なのに、自分の幸せを祈る以上に相手の幸せを祈り、そして手紙を送った相手の気持ちをも思いやる。

 ネガティブだらけの状況のなかで、これほどまでに晴れやかな気持ちにさせる手紙が書けるものなのかと、ただただ感心、感動しました。

 文字の力って、文章の力って偉大ですね。

 依頼人と鳩子、そして「小説家・小川糸さん」の人間力に心から脱帽です。

 最後に、本書を読み終えてもすぐにはページを閉じないで!

 幻冬舎さんからの粋な一言が、物語終了後に添えられています。

 小説「ツバキ文具店」で、文字と文章がどれほど人を強く優しく明るくするかを、ぜひご堪能ください。

詳細情報・ご購入はこちら↓


プロフィール

アコチム

Author:アコチム
仕事・家事・育児の合間に文字を楽しむ、兼業主婦の備忘録です。
本の評価は以下のとおり(2015年10月~)
★★★★★=読むと一生幸せでいられます。
★★★★☆=読むと1年間幸せでいられます。
★★★☆☆=読むと1週間幸せでいられます。
★★☆☆☆=これ以下の本は載せません。

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