ブログを引っ越しました。

 このたび、当ブログを引っ越すことにいたしました。

 いつも読んでくださっている方、どうもありがとうございます。

 新しい読書ブログでも、「面白かった!」「読んで良かった!」「人生変わった!」と思えるような本を、どんどん紹介していくので、よろしくお願いいたします。

「風よ あらしよ」感想。恋愛小説に溺れるように没頭したいあなたに!

 私共の恋はずいぶん呪われました。が、空花ではありませんでした。
(本文引用)
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 時々、ドボドボに溺れるような恋愛小説を、読みたくなることはないだろうか。

 村山由佳著「風よ あらしよ」は、底なし沼のようにはまれる恋愛小説。
 
 「女だから」という殻を破りつづけた女性の、恋に生き、愛に燃え尽きた28年を描いたものだ。

 600頁超の大長編で、持ち歩くのも大変。
 電車で立った状態で読むのは、いささか苦痛を伴うだろう。

 しかしその厚さの分、ダイバーのごとく「恋」にどこまでもはまり込める。

 読書で「身を焼きつくすような恋がしたい」「誰にも、何にもとらわれず、心のままに恋愛に没入したい」と思うなら、きっと満足できるだろう。


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映画「鬼滅の刃 無限列車編」を観てきました。

映画「鬼滅の刃 無限列車編」を観てきました。



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中学生の子どもの希望により、前日にチケットを予約。
アクセスが集中してるのか、まーーーーーー、画面が止まる止まる・・・。

何度もあきらめかけましたが、もはや引くに引けない思いで、4時間かけてチケットを取りました。
(ちなみに鑑賞当日、映画館に行ったら、案の定チケットは終日完売。
 なるべくチケットを予約してから、シアターに行かれることをお勧めします。)

内容・・・想像以上にバイオレンス。
私は「鬼滅の刃」を読んでいないため、今一つ内容はわからず。
漫画を読破していた娘が「もしかすると、結構グロテスクかも」と言っていましたが、予想以上でした。

実は、映画「鬼滅の刃」って「PG12(12歳未満の者の観覧には保護者の助言・指導が必要)」なんですよね。

映画を実際に鑑賞して、「これは確かにそうだなぁ・・・」と納得。
シアターには小学生や、未就学と思われるお子さんも多くいらっしゃいましたが、「大丈夫かな?」と少し心配になってしまいました。
(ちなみに中学生のわが子、私がチラッと様子を見たところ、時々下を向いていました。
 後で聞いたところ、「怖かった」とのことです。)

徹頭徹尾「ズバーーーーーン!」という刀剣乱舞状態でしたが、ラストはかなりウルッ(涙)。

やや(だいぶ?)状況は異なりますが、「ベルサイユのばら」のアンドレや、「生徒諸君!」の沖田君の最期を思わせる展開でした。

漫画を読んでいないと、「斬って斬って斬りまくる」という印象ばかりが残りましたが、知識の下地があると見え方が違ったのかも。

これからきちんと、原作を読んでいきたいと思います。

とりあえず、無事にチケットを取れて、映画を観られて良かった!
今年の「流行りものミッション」を遂行し、安心して年末に邁進できそうです。

デュルケーム「自殺論」感想。愛する人を喪った人に、ぜひ読んでほしい歴史的名著。

「奇妙なことに、どのようにして窓を乗り越えたか、そのときどのような考えが自分を支配していたかを、さっぱり思いだすことができない。というのも、私は、自殺しようという考えをまったくもっていなかったし、あるいは少なくともいまでは、そのような考えをもっていた記憶がないからだ」
(本文引用)
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 今年ほど、「自殺」について考えた年はない。

 いや、私が「自殺したいと考えていた」という意味ではない。

 「自殺はなぜ起こるのか? 自殺とは一体なにか?」と、そのまま「自殺について考えている」という意味である。

 そんな私の疑問に答えてくれそう・・・と思い、購入したのが「自殺論」。
 
 そう、私が知りたかったのは「自殺に関する論考」=「自殺論」。

 「人はなぜ自殺するのか?」「自殺の動機には、どのようなものが多いのか?」、そして「自殺は伝播するのか・・・?」等を知りたく手に取ったのだが、読んだら期待以上。

 地域・年代・季節・学歴・生活スタイル等々、目をむく緻密さで「自殺」について調査・分析されていた。

 
 本書を読んだ結論を言うと、やはり「自殺を完全に無くす」というのは、残念ながら不可能だ。
 
 しかし本書の「人間・地域・気候等による、自殺率比較」は、「自殺への歯止め」に少なからず有効なはず。

 さらに本書のメリットは、「自殺抑止」だけではない。

 自殺が行われてしまった後でも、読む意義はおおいにある。

 「愛する人を、自死で喪った人の心」を、本書は疑問の余地をはさむことなく救ってくれるのだ。

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「食べることと出すこと」感想。潰瘍性大腸炎を知りたく購入。得るものは途轍もなく大きかった。

「何か事情があるのかもしれない」「本当はそういう人ではないかもしれない」という保留付きで、人を見たいものだと思う。
 そのわずかなためらいがあるだけでも、大変なちがいなのだ。

(本文引用)
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 安倍首相が持病の悪化で辞任した。
 支持云々に関係なく、純粋に「体調が悪いなか、大変だっただろうなぁ・・・。本当にお疲れさまでした」としみじみ。
 
 首相の件を機に、「潰瘍性大腸炎のつらさ」を知りたくなった、いや、知らねばならない、と思った。

 そうしないと今後、外から見えにくい病やつらさ、苦しみ、悩みを抱えている人を、無意識に傷つけてしまうだろうから。

 ひとまず「潰瘍性大腸炎」という病から、「病を抱えている人の心情を、極限まで想像する訓練」をしないと、人として大変なことになる・・・と怖れを抱いたのだ。

 そこで読んだのが「食べることと出すこと」。
 
 ・・・衝撃だった。
 私は甘かった、あまりにも甘かった。


 「病を抱えている人の心情を、極限まで想像したい」だと?
 そんなことを考えていた自分を、ひっぱたきたい気分になった。

 そして「そんなことを考えていた自分」に、こう叫びたい。

 「病を抱えている人の気持ちを想像する」なんて無理なんだよ!
 「病を抱えている人の気持ちを想像することなど、永遠に想像できない」と思うべきなんだよ!


 潰瘍性大腸炎のことを知りたくて読んだ、「食べることと出すこと」。
 得られるものは、潰瘍性大腸炎の知識だけではない。到底ない。

 「人間、他者のつらさ・苦しい・悩みを想像することなどできない、ということを想像せよ」という、途轍もなく大きなことを教えてくれる名著だった。

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「博士と狂人」感想。「舟を編む」英語版!?あの大辞典は殺人事件から始まった。

正体を明かさないまま緻密な仕事をするこのすばらしい男は、いったい何者なのか?
(本文引用)
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 簡単に言うと「英語版・舟を編む」。
 しかし「舟を編む」と、決定的に違う点が1つある。

 それは「完成の影に殺人事件があった」こと。

 全11巻、総ページ数1万6570頁、収録語数41万4825語、用例182万7306。
 史上類を見ない、圧倒的な語数を誇るオックスフォード英語大辞典。

 そんな世界的権威のある辞書が、「殺人事件のおかげで完成した」と聞いたら、「まさか」と思うだろう。

 しかしその「まさか」なんだから、事実は小説より奇なり。

 「そんな馬鹿な」とお思いなら、ぜひ本書を読んでみてほしい。
 
 ちなみに本書は10月に映画化。


 メル・ギブソンとショーン・ペンが、その数奇な運命をどのように演じるのか。
 少々怖いが・・・これはちょっと観るしかない!

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宮本輝最新刊「灯台からの響き」感想。人間の心とは、ここまで大きくなれるのか!

「俺を騙してまで、十五歳のときの誓いを貫きとおしやがって。お前はなんて凄いやつだろうなぁ」
(本文引用)
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 新刊が出ると必ず買っちゃう、宮本輝リン(←大好きなので、勝手にテルリンと呼んでます)。
 
 なぜ私は宮本輝作品が好きなのか。

 理由は、人間の心の雄大さ・・・それも「どこまで行っても見果てぬことのない、途轍もない広さ」を感じられるから。

 映画化された「草原の椅子」などは、その最たるもの。
 何の見返りも望まず、他人に対してここまで優しく、ここまで熱くなれるのか。
 舞台となったタクラマカン砂漠以上に、人の心は広いことを、「草原の椅子」は教えてくれた。
 
 そして最新刊「灯台からの響き」も同様。
 「灯台」というだけあり、「人間は海より広い、はるかに広い」と圧倒されてしまった。


 現在、人間不信に陥っている人や、「世の中がカリカリしている」「狭量となっている」と感じてる人は、ぜひ手に取ってみてほしい。

 人間って、自分が思っているよりはるかに、大きくて優しくて広いんだ。
 人間って、人間って、すごいぜ!

 そんな風に、人を信じられるようになる。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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